芸人・紺野ぶるまが「妊娠した?」と聞かれた時に感じる「妊娠報告のモヤモヤ」
即興謎かけでブレイクし、ピン芸人として活躍する紺野ぶるまさん(松竹芸能)。2019年に一般人男性と結婚したことを発表し、2022年4月には第一子出産を報告した。 【マンガ】芸人・紺野ぶるまが妊娠中に言われた言葉に衝撃を受けたワケ 妊娠、出産、子育てを通して、人間関係や社会の見え方が変わったという紺野さんに、芸人として、ひとりの女性として日々のモヤモヤを、最近挑戦しているというマンガとともに語ってもらう。 今回は、妊娠とそれを取り巻く人々の態度について感じたことを綴ってもらった。
「おめでた」という言葉に重みを感じ始めた
結婚して以来、ちょっと太っただけで「もしかしておめでた?」と聞かれるようになりました。 「違いますよ~」と伝えると気まずい空気になるんですが、その度に「この人はなんでそんな賭けに出たんだ」と不思議でなりません…! そもそも「おめでた」かどうかって、そんなにフランクに聞いていいものじゃないはずなんですが男女問わず、結構認識にズレがあるなと感じています。 正直、私も数年前までひとの妊娠にいち早く気づいてそれを相手に伝える行為はいいことだと思っていたところがありました。 高校生の頃、友人たちと食べ過ぎたお腹を見せ合って「できたかも~」と笑い合っていた感覚のまま、「おめでた」もみんなで共有すると楽しいものと思っていたんです。 しかしそれは年齢とともに徐々に変わっていきます。リミットというものを意識するとどんどん妊娠がセンシティブなものになっていったのです。 何年も不妊治療をトライしてる友人が、そのストレスで少しふっくらしてた時期に周りから「ついにおめでた? !」と聞かれてるのをみたときに「これはいかなる場合も聞かないほうがいいことなのだ」と思い直しました。
妊娠報告って気軽にできるもんじゃない
仮に妊娠していたとしても、「はい、そうです」とはすぐに言えないもどかしさも経験しました。 安定期前だったり、またはそれを過ぎても不安だから言えなかったりと、報告しない理由って基本「何かあった場合、気を遣わせてしまうから」っていう相手への配慮でもあったのだと知りました。 もちろん親族とか、仲のいい友人にはいち早く伝えたいですが、仕事なんかでは報告するにも順番があったりして。本人は体に気をつけながら順を追って準備をしてるのに「え! おめでたやん!」と土足で踏み込まれると「そういうところだよ! あんたの報告が後回しになってるの!」と言いたくなります。 SNSなんかでもご飯の様子をアップした際、友人から「ソフトドリンクだね、もしかしておめでた?」とLINEが来ると見張られてるようで気分のいいものではなかったし、とはいえ私も友人がカフェインを避けた時とかタバコを嫌がった時とか、「ふむふむ、私の目は誤魔化せませんよ!」と探偵みたいに推理して楽しんでいた節があったな、と気づくのでした。
きっとお腹って基本出ているもの
無事出産して復帰した後は隠しごとがない開放感と、すがすがしさがありました。 14キロ増えた体重をなんとか戻そうとダイエットも頑張っていたのですが、産後のお腹って一年くらいかけてゆっくり戻るようで…。収録で久しぶりにあった先輩に「だいぶお腹おっきなったな! 元気な赤ちゃん産んでな!」と言われた後の気まずさたるや産前の比じゃなかったです! もちろん芸人同士なので「ちょっとちょっと~」で済む話なのですが! きっとお腹って妊娠してようがしてまいが、基本出ているものなんです。ペタンコなのはグラドルかモデルだけなんです。それ知らない人はエロ本の見過ぎなんです!
紺野 ぶるま(芸人)