初めての「デジタルデトックス」であなたが気付く3つのこと
1年の終わりが近づき、自分を見つめ直している人もいるだろう。この時期には多くの人が、自分の目標や習慣、そして自分自身について振り返り、「これから何を変えよう?」、「次の目標は何にしよう?」などと自問し始める。 しかし、ある問いについては、今まで自分に問い掛けたことがないかもしれない。それは、「私は何が好きなのか?」という問いだ。一見、あまり重要でないように思えるシンプルな質問だ。しかし、デジタル時代を生きる私たちの多くは、この質問に答えるのが難しいかもしれない。 ソーシャルメディアは、私たちの日常と切り離すことができないものになっている。私たちはしばしば、知らず知らずのうちに、フェイスブックやインスタグラム、TikTok、X(旧ツイッター)のタイムラインをスクロールすることに何時間も費やしている。その結果、ソーシャルメディアに出会う前に喜びを感じていた現実世界の活動から気持ちが離れてしまったのではないだろうか? 多くの人にとってこれは、向き合いたくない現実かもしれない。 しかし、少なくとも1週間、これらのアプリを携帯電話から削除し、ソーシャルメディアから完全に離れることを検討してみると、この現実に正面から向き合うことになるだろう。この「デジタルデトックス」に初めて挑戦した人は、以下の3つのことに気付くかもしれない。 ■1. 私たちの日常には、ソーシャルメディアが埋めている空白がある スマートフォンからソーシャルメディアアプリを削除し、一定期間ソーシャルメディアを断つことを決意すると、まず最初に気付くのは、ソーシャルメディアが1日の時間をどれくらい埋めているかだ。 無意識のうちに携帯電話を手に取り、メッセージを確認したり、タイムラインをスクロールしたりしようとするかもしれない。そのあと、すべて削除したことを思い出し、何か別のことをしなければ、と思うわけだ。 もしこれが初めてのデジタルデトックスであれば、現実が浸透するまでに、おそらくこれを何度か繰り返すことになるだろう。前述したように、スクリーンは私たちの習慣や日常にしみ付いているためだ。世界規模で行われた2023年の調査によれば、米国民は1日平均7時間3分もスクリーンを見ている。こうした習慣が、何らかの影響をもたらさないはずがない。 学術誌International Journal of Mental Health and Addictionに発表された2019年の研究によれば、過剰なスクリーンタイムは、認知力の低下、学習の遅れ、自尊心の低下、メンタルヘルスの悪化など、多くの悪影響と関連づけられている。この研究で注目すべき点は、「1日2~3時間以上のスクリーンタイム」を「過剰」と定義していることだ。 デジタル機器から離れてみると、嫌でも気付かされることがある。デジタル機器がないと、私たちの日常には大きな空白があるということだ。私たちは、起きている時間の約45%をスクリーン視聴に費やしている。つまり、睡眠時間を除いた一日のほぼ半分だ。 この習慣をやめようと決意すると、これまで問題なく無視してきたか、あるいは、抑えられてきた何かに気付くかもしれない。それは、沈黙や退屈。そして、「さて、何をしよう?」と何度も問うことだ。