【チャンピオンズC われかく戦う】レモンポップ・田中博康調教師「走らせる限りは恥ずかしい競馬をさせたくない」
──南部杯に続き、ここも連覇がかかる一戦
「去年と同様、距離を意識して少し長めに走るトレーニングを積んでいます。今年の春は1400メートルにフィットさせるための調教をやってきたけど、賢い馬なので、そのときどきに合った調整で順応性の高さを見せてくれます。体も帰厩時は少し寂しい見た目をしていましたが、少しずつパンプアップしてきています」
──1週前追い切りは美浦Wコースで7ハロン96秒0─11秒5で併走先着
「さすがだと思わせるような躍動感を見せます。ただ、乗っている側からすれば、良かった頃と比べて迫力面で落ちる印象を持ってしまう。昨年の今頃は体がパンパンに張って、もう怖いと思うくらいの雰囲気でしたから」
──それでもいい形で締めくくりたい
「種牡馬になる馬ですし、走らせる限りは恥ずかしい競馬をさせたくない。この馬に1800メートルが長いのは確かですが、そこは去年の経験を生かし、うまく調整したい。何とかあと1回頑張ってもらうために、試行錯誤していきます」
■田中 博康(たなか・ひろやす) 1985(昭和60)年12月5日生まれ、38歳。埼玉県出身。2006年に美浦・高橋祥泰厩舎から騎手デビュー。09年エリザベス女王杯(クィーンスプマンテ)でJRA・GⅠ初制覇。16年12月に調教師試験に合格し、翌17年に騎手を引退。JRA通算3727戦129勝(重賞はGⅠ1勝を含む3勝)。18年3月に美浦で開業。23年根岸SでJRA重賞、同年フェブラリーS(ともにレモンポップ)でJRA・GⅠ初制覇。25日現在、JRA通算1399戦190勝(うち重賞はGⅠ2勝を含む9勝)。
★昨年と今年の調整過程
昨年は1600メートルまでしか経験がなく、コーナーを4回、通過するコース形態も初めて。そのため1、2週前と美浦Wコースで普段よりも1ハロン長い7ハロンから追い切り、最終も6ハロンからしっかりと時計を出した。今年も11月13日に8ハロン115秒4─11秒6と長めから時計を出し、同21日は7ハロン96秒0─11秒5。いずれも併せ馬で負荷をかけ、レモンポップにとっては長めの距離を走る調整を施している。