偽造品の撲滅に向け、楽天ラクマが“鑑定士”と連携強化!より受けやすくなった鑑定サービスの中身とは
フリマアプリは個人間で気軽に取引できるのが魅力ですが、不正行為が発生してしまうケースもあります。特にブランド物の偽造品が売買されている状況についてはどのフリマアプリ事業者も問題視しており、対策を進めているところです。 【グラフ】2023年は3万件超! 税関における偽造品の輸入差止件数の推移 今回は、2023年1月から鑑定サービスを提供している楽天ラクマに、偽造品問題の深刻さと、偽造品の撲滅に向けた新たな取り組みについて話を聞きました。
◆これまでの取り組みが高く評価され「AACD」会員へ
楽天ラクマは2024年9月、一般社団法人 日本流通自主管理協会(以下、AACD)に加盟しました。AACDはブランド品の偽造品の流通防止や排除を目的として活動している団体。リユース業界では加盟する企業が多いものの、フリマアプリ業界では加盟した企業は楽天ラクマが初めてです。 24時間365日体制のパトロールなどによる不正取引の防止対策のほか、2024年1月から開始したコメ兵(ブランド品などの販売・買取事業を手掛ける企業。以下、KOMEHYO)との「ラクマ鑑定サービス」により、偽造品の出品を大きく減らしてきた功績が評価され、加盟に至りました。 フリマアプリにおける偽造品問題は、ユーザー数や出品数が増加するにつれ深刻化しています。もはやリユース業者やブランドを持つ権利者だけでなく、フリマアプリ事業者も一緒になって対策をしなければ、偽造品を撲滅するのが難しくなってきているのです。 楽天ラクマは今後、AACDの正会員として、偽造品の流入防止対策を強化していくとしています。
◆ブランドの偽造品問題が深刻に
「リユース経済新聞」(2024年9月25日発行)によると、リユース市場規模は2023年に3.1兆円、2030年には4兆円に拡大すると予測されています。 そしてBtoC市場とCtoC市場は、共に2兆円規模に成長するとの予測も出ています。 お店と個人の取引、そして個人間の取引が拡大していく裏で、2023年に税関によって輸入を差止された「知的財産権侵害物品」、つまり偽造品などの件数は3万件を超えたという調査結果が出ています(出典:財務省「令和5年の税関における知的財産侵害物品の差止状況(詳細)」)。 偽造品の中でも多いのは、ブランドバッグや財布など。かなり巧妙に作られており、素人ではなかなか見分けがつきません。 筆者も以前、本物と偽造品を並べて見比べる体験をしたことがありますが、知識も経験もなく、何を基準に判断すればよいのかが分かりませんでした。ましてやフリマアプリでは商品を手に取って調べることができないため、購入前に見抜くことは非常に困難です。 こうした問題に対抗するため、楽天ラクマは従来の「ラクマ鑑定サービス」を刷新し偽造品対策を強化。2024年10月から「ラクマ最強鑑定」の提供を開始しました。