美しい紅葉が堪能できるホテル&宿 3選
客室やラウンジ、レストランから絶景の紅葉を眺められる、全国のホテル&宿を紹介。美しい紅葉が目の前に広がり、ホテルで過ごす時間そのものをより特別なものにしてくれる。
MUNI KYOTO /安田アトリエ(建築設計)内田デザイン研究所(内装設計)
紅葉の名所・京都の中でも、平安時代から貴族の別荘地として栄えてきた嵐山。風光明媚という言葉を体現したかのようなこの場所を、先人たちは慈しみ、そして、歌に詠んで残した。「MUNI KYOTO」(ムニ キョウト)は、その嵐山の中心地である渡月橋のすぐ近くに、2020年8月にオープンした宿泊施設だ。 嵐山の景観に溶け込むような建物は「ポーラ美術館」で日本建築学会賞を受賞した安田幸一氏が手がけた。周囲の自然と一体になれる特別な空間を創り出した。隣接する「福田美術館」も安田氏が設計しており、「MUNI KYOTO」は、「美術品を有した大きな邸宅に宿泊する」というイメージで造られているという。
コンセプトは、まさにエントランスに入った瞬間から実感できる。エントランスの先では作陶家の安藤雅信氏による水琴窟(すいきんくつ)が待ち構えている。ロビーを抜け、中庭「白の庭」を眺めながら客室へ。館内には、この中庭を含め、嵐山の景観を生かした3つの庭があり、自然が織りなすその彩りを自分の手中に収めたかのような滞在ができる。
客室は1階と2階に全21室。圧巻はなんといってもその客室からの景観だ。客室のドアを開けた瞬間、正面の大きな窓の先にある嵐山の景色が目に飛び込んでくる。高さ2.9m・横3.5mの大開口窓は、客室と山一面の紅葉を借景とした渡月橋と桂川の風景とが一体化するように誂えられたものだ。 「間と余白」、そして、「西洋と東洋」、「伝統と現代」の融和をテーマとしたインテリアも、窓の外の景色を、1枚の絵画として楽しめるように最大限の配慮を施し配された。クローゼットやミニバー、冷蔵庫などが、全てスライド式の引き戸の中に収納されており、一部の客室からは、ガラス張りのバスルームからも嵐山の景色を見渡せる。