友達いるけどクラスに居場所がない?―でか美ちゃんが経験したうつ病のきっかけ #今つらいあなたへ
SNSでの誹謗中傷
――誹謗中傷の内容は? でか美ちゃん: ある芸人さんと付き合っているんじゃないか、というか「付き合ってますよね」という決めつけをされて、だんだん毎日そういうツイートを送られるようになりました。私は間違っていたら「違いますよ」って返信するタイプなので否定したんですが、否定しても耳に入っていない感じで、繰り返し同じ内容を送り続けられて。それがどんどんエスカレートして、「嘘つき」とか人格否定してきたり、まったく関係ない投稿に「〇〇と一緒に行っているんだろう」とか、SNSの内容全てに自分の思い込みに基づいた返信をしてくるようになりました。 ――生活や仕事にも支障が出た? でか美ちゃん: 「これを投稿したらこう言われるんじゃないか」とかライブやイベントでは「もしこの人が来て何かしたらどうしよう」とかビクビクするようになりました。Twitter上でずっと否定しても客観的に見るとただ揉めているだけに見えちゃって、イメージが悪くなっていたり。でも黙っていたら誹謗中傷の内容を信じる人も出てきて。事実ではないことが広まるのがしんどくて、それが仕事に影響しました。毎日、家にたどり着くまでが、ものすごく怖くて、夜道は走って帰っていました。生活のすべてが蝕まれていきました。 もともとメンタルが強い方ではないので、かなりふさぎ込むこともありました。ファンに会うと明るくなれたのに、それすらできなくなって、どんどん落ち込んでしまいましたね。それで蕁麻疹も出てきたので病院に行くとストレスだろうと薬をもらったんですが、一時的に治ってもすぐ出てくる。しょっちゅう頭やお腹が痛くなるし、精神的なものから体に不調をきたすようになりました。 ――友達など周りの方に助けは求められましたか? でか美ちゃん: 最初は、あまり人に言えませんでした。「気にしたら、ダメだよ」と言われると、励まそうと思って言ってくれているのは分かるのですが、自分の全てを否定された気持ちになってしまう気がして。でも、勇気を出して周りの人に言ってみたら、寄り添ってくれる人がたくさんいました。特に友達は自分より怒ってくれたり、私の代わりに掲示板を見ておかしな書き込みのスクショを撮ってくれたりしました。心強かったし、そういう存在がいるだけで救われましたね。 ――警察にも相談したそうですね。 でか美ちゃん: 生活安全課で親身に話を聞いてもらえました。その時に当時のマネージャーさんが、私に送られてきたリプライや書き込みや中傷ツイートを全部プリントして持ってきてくれたんです。 殺害予告など決定的な書き込みはなかったので、すぐ動いてはもらえなかったんですけど、家の周りのパトロールをしてくれたり、「何かあったらすぐ電話してください」って連絡先も教えてもらえたりしました。これ以上書き込んだらアウトだとか、接近禁止になると伝えることも約束してくれました。これだけでもストレスは減ったし、パトロールしてくれているだけで全然違うと思いました。 ――相手に向けて自身のブログで最後通告。どのような思いだったのでしょうか? でか美ちゃん: 最初は裁判を起こすつもりだったんです。私がブロックとか無視をすると、私の知り合いやファンのSNSにも書き込むようになって、さすがにキツくなったので。でも、裁判を起こしたところで良くならないとも思っていて、 “いい人”ぶるわけではないですが、裁判で勝ってお金をもらって、相手の社会的信用を落として、「だから何になるんだろう」と思っていました。私は止めてくれたらよかったし、精神的にも参っていたので、「誹謗中傷が終われば何でもいい」みたいな気持ちで書きました。それ以降、毎日来ていたのが少しずつ減って、今は何年も来てない状態です。