大阪桐蔭・丸山が8連続安打 長短自在打線にすきなし センバツ
第94回選抜高校野球大会は第10日の30日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で準決勝があり、大阪桐蔭が国学院久我山(東京)を13―4で破り、史上初となる2度目の春夏連覇を達成した2018年の第90回大会以来、通算4回目の決勝進出を決めた。4番・丸山一喜一塁手(3年)が3安打4打点をマークした。 【国学院久我山vs大阪桐蔭 熱戦を写真で】 ◇ 強打に軽打も加われば鬼に金棒状態だ。2試合連続2桁得点をマークした大阪桐蔭。準々決勝で大会タイ記録の1試合6本塁打を放っただけに、西谷監督も「大振りにならないか」と心配していたが、好調の4番・丸山のチーム打撃が口火となったように、取り越し苦労に終わった。 一回2死二塁。フルカウントから国学院久我山の左腕・渡辺が投じたスライダーに、フルスイングすることなくバットを投げ出すように合わせて先制となる右前適時打を放った。三回にはフェンス直撃の右越え適時二塁打。3打席目こそ遊ゴロ併殺で、大会新記録となる個人最多連続安打「9」の達成はかなわなかったが、八回にも左前2点打で計4打点だ。「4番として置かれているが、ホームランを打てるとかではない。回ってくるチャンスで打てればいい」。チームメートの本塁打合戦にも心揺さぶられることなく、自らの役割に徹しきった。 昨秋に左手の薬指を骨折。2月下旬までバットを振ることすらできなかったが、ひたすら走り込んだことで大地に根が生えたような下半身に。少々タイミングを狂わされても懐深い打撃ができていることが、好結果につながっている。 4番の3安打に加え、3番・松尾にも本塁打が飛び出すなど、毎回安打で、準々決勝を上回る19安打。「大きい当たりではなく低く強い打球を放つ」と6番の田井。各打者に一発を狙う意識がなく、つなぐことに徹しているだけに、隙(すき)がなくなっている。 2021年夏の甲子園2回戦で近江に4―6で敗れたのを最後に、新チームは公式戦19連勝中(不戦勝1を含む)。昨秋の明治神宮大会でも初優勝した。「昨年悔しい思いをしてのスタート。秋、春と大きな山を登ってきている。最後、春の山も登り切りたい」と西谷監督。甲子園決勝では過去8度負けなし。「決勝不敗神話」を継続する。【藤田健志】 ◇決勝戦もライブ中継 公式サイト「センバツLIVE!」(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2022)では、決勝もライブ中継します。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/hsb_spring/)でも展開します。