手ぶら決済、ファミマでも 生体認証サービス本格展開 全国100カ所以上に導入へ 東武と日立
東武鉄道と日立製作所は3日、決済やポイント獲得などが手ぶらでできる生体認証サービスを本格展開すると発表した。今年4月に東武ストアの一部店舗で運用を始めたサービスを東武グループ内外で本格展開する。東京スカイツリーや東武東上線のほか、ファミリーマートや上新電機など、全国100カ所以上に順次導入していく。 【関連写真】東京ソラマチのポップアップストアでは生体認証を活用して商品を選べる 新サービスは、「SAKULaLa(サクララ)」と命名し、公式キャラクター「サクラッコ&ララガイ」とともに展開する。サクッと身軽に買い物などができるイメージを込めた。 サービスは、日立の指静脈認証を活用し、指を専用装置にかざすだけで決済やポイント付与、年齢認証ができる。酒類を含めた買い物が手軽にできることが特長。4月11日から東武ストア越谷店(埼玉県越谷市)で導入し、その後、みずほ台店(埼玉県富士見市)、新河岸店(埼玉県川越市)でサービスを始めていた。 先行導入した3店舗での利用も順調で、登録は3700人に上り、約半数が50代以上と幅広い年齢で活用されている。登録キャンペーン終了後も76.3%が継続利用していた。 東武鉄道の前田隆平経営企画本部長は「利便性の向上だけでなく店舗のレジ回転率向上にも貢献している」と説明。一定の成果が出ていることから、サービス基盤を横展開することを決めた。 東武は、3日からスカイツリー内の商業施設「東京ソラマチ」で、26日から西日本鉄道が運営する福岡天神の商業施設「ソラリアステージ」で、花王のポップアップストアで利用可能にする。 11月には埼玉県越谷市と川越市の飲食店など約20店でもサービスを利用できるようにする。24年度中にはスカイツリーのオフィシャルショップでも手ぶらで買い物できるようにしていく。東武ホテルでの導入も進める計画だ。 25年度には家電量販店の上新電機の大阪2店舗に導入。鉄道では東武東上線の座席指定制列車「TJライナー」の改札にも適用。26年度にファミリーマートの100店舗で導入を予定する。 小規模店舗でも導入しやすいタブレットと認証装置を組み合わせた独立型の端末も開発。25年度からは指静脈に加え顔認証を利用したサービスも始める。国内の主要ポイントと連携し、ワンストップで利用できるようにもする。 日立のマネージド&プラットフォームサービス事業部の石田貴一事業部長は「生体認証を紐づけることでさまざまなサービスを迅速にワンストップで対応できるようになる」と強調した。
電波新聞社 報道本部