ツール・ド・フランス2024有力選手プレビュー|ビッグ4がマイヨ・ジョーヌ争いを先行する
マイヨ・ヴェール争いはフィリプセンvs.ピーダスンの構図か
スプリンターの栄誉であるポイント賞「マイヨ・ヴェール」も、好勝負が期待できそうだ。 筆頭格は、昨年に続く連覇を目指すヤスペル・フィリプセン(アルペシン・ドゥクーニンク、ベルギー)。今季はここまで4勝しており、なかでも3月のミラノ~サンレモでの勝利は改めて勝負強さを印象付けるものとなった。今大会もマチュー・ファンデルプール(オランダ)とのホットラインが見られるはず。前回大会では4勝を挙げているが、平坦ステージが8つ設定される今回はどこまで勝利できるか見もの。
ヤスペル・フィリプセン
対抗馬と目されるのが、マッズ・ピーダスン(リドル・トレック、デンマーク)。今年の勝利数は、フィリプセンを上回る8勝。そのほとんどがスプリントだが、フィニッシュ前でのスピードに加えて逃げでも狙っていけるのが強み。平坦だけでなく、丘陵コースにも適応できる脚を持っており、コースレイアウトや展開次第ではステージ優勝の量産もあり得る。中間スプリント(後述)でのポイント収集をこなしながら、ステージ上位を確実に押さえていけば、マイヨ・ヴェール争いで一気に抜け出す可能性もある。
マッズ・ピーダスン
この2人に限らず有力スプリンターがひしめいており、先のベルギー選手権ではフィリプセンに勝ったアルノー・ドゥリー(ロット・デスティニー)や、オランダ選手権を勝ったばかりのディラン・フルーネウェーヘン(チーム ジェイコ・アルウラー)、ビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ・ワンティ、エリトリア)といった選手たちの名が挙がる。また、戦列復帰したばかりのワウトはどこまでスピードマンの争いに加わってくるだろうか。 この大会では、マーク・カヴェンディッシュ(アスタナカザクスタン チーム、イギリス)のステージ勝利最多記録「35」の達成なるかにも注目が集まる。昨年は落車リタイアとなり、引退を先延ばしにして今大会にかけてきた。大記録樹立で有終の美を飾れるだろうか。 同賞の付与ポイントはコース難易度によって変化し、スプリンターが主役となる平坦ステージならば1位フィニッシュで50点獲得。以下、順位に応じて得点が付与されていく。また、各ステージで中間スプリントポイントが設定され、上位15選手にポイントが与えられる。