【MLB】激戦のナ・リーグ新人王争い 今永は日本人選手5人目の受賞なるか 強力な3人のライバルたち
2024年シーズンが最終盤を迎えるなか、MVP争いはアーロン・ジャッジ(ヤンキース)と大谷翔平(ドジャース)、サイ・ヤング賞争いはタリック・スクーバル(タイガース)とクリス・セール(ブレーブス)が明確なフロントランナーとなっている。それとは対照的に、新人王争いは混戦となっており、特にナ・リーグの新人王争いは極めてハイレベルな激戦に。日本人選手としては史上5人目となる新人王受賞を狙う今永昇太(カブス)だが、「ファイナリスト」と呼ばれる上位3人にすら残ることができないかもしれない。 【動画】カブスの今永昇太が7回無失点の好投で15勝目を挙げる 現在31歳の今永はメジャー1年目の今季、ここまで29試合に先発して173回1/3を投げ、15勝3敗、防御率2.91、174奪三振という好成績をマーク。貯金が3つしかないチームのなかで、実に12もの貯金を1人で作り出しているのは見事の一言だ。強力なライバルがいないシーズンであれば、1995年の野茂英雄、2000年の佐々木主浩、2001年のイチロー、2018年の大谷に次ぐ日本人選手5人目の新人王受賞はほぼ確実だったろう。 しかし、今季のナ・リーグには強力なライバルが3人もいる。1人目はダルビッシュ有、松井裕樹とともにパドレスでプレーしている21歳のジャクソン・メリルだ。もともと有望な遊撃手として期待されていたメリルだが、外野手不足のチーム事情もあって開幕から正中堅手に抜擢されると、ここまで151試合に出場して打率.292、24本塁打、89打点、16盗塁、OPS.829の大活躍。新人王はフルシーズン活躍した野手が選ばれやすい傾向もあり、現地のオッズを見ても「最有力候補」と言える存在だ。 2人目はシーズン途中にデビューした22歳のポール・スキーンズ(パイレーツ)だ。昨年のドラフト全体1位指名でプロ入りし、メジャーデビュー後の圧巻のパフォーマンスにより、今年のオールスター・ゲームではナ・リーグの先発投手を務めた。ここまで22試合に先発して131イニングを投げ、11勝3敗、防御率1.99、167奪三振の好成績をマーク。規定投球回には届いていないが、最後まで防御率1点台をキープできれば、強烈なアピール材料になるだろう。 3人目は20歳のジャクソン・チョーリオ(ブリュワーズ)だ。メリル同様、開幕からレギュラーに起用されたチョーリオだが、前半戦は打率.243、9本塁打、OPS.678と苦戦。しかし、後半戦に打率.310、12本塁打、OPS.940と大きく成績を向上させ、史上最年少で「20-20」を達成した。日本球界での実績がある今永とは異なり、純粋なルーキーということもあり、現地のオッズではメリル、スキーンズに次ぐ3番手に挙げられている。 なお、激戦のナ・リーグとは対照的に、地味な印象のあるア・リーグの新人王争いは、先頭を走るルイス・ヒル(ヤンキース)をコルトン・カウザー(オリオールズ)とオースティン・ウェルズ(ヤンキース)の2人が追う構図となっている。