【おもち×腸活】おもちの栄養価と、腸がよろこぶ「一緒に食べたい3大食材」とは?管理栄養士が解説
お正月になると、おもちを食べる機会が増えるという人も多いのではないでしょうか?おもちは炭水化物の摂りすぎや喉に詰まらせてしまう危険性から避けるという人も多いですが、食べ方次第で実は腸活にもつながる食べ物です。そこで、今回はおもちが腸活につながる理由をご紹介します。 <写真>【おもち×腸活】おもちの栄養価と、腸がよろこぶ「一緒に食べたい3大食材」とは?管理栄養士が解説 ■鏡開きとは 室町時代から続くお正月に鏡もちを飾る習慣を取り入れている人は、きっと多いはず。お正月に供えていた鏡もちを下ろして、無病息災を願いながらおもちを食べる行事を「鏡開き」と呼びます。包丁で切ることは縁起が悪いとされて、木づちなどで割って食べますが、「割る」も縁起が悪いということで「開く」という言葉が使用されています。鏡もちには、年神様の力が宿っていると言われているため、鏡開き(毎年1月11日頃)に食べるのがおすすめです。 ■おもちは実は栄養価が高い! おもちのメインの栄養素は、体を動かすためのエネルギー源となる炭水化物です。加えて、体のさまざまな働きをサポートするビタミンB1やカリウムや亜鉛、鉄分カルシウムなどのミネラル、腸内環境を整えて便秘の改善予防を期待できる食物繊維などもバランスよく含まれています。 ■おもちを食べると期待できる3大効果 ■■便秘改善 意外かもしれませんが、おもちには食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は、水溶性と不溶性の2種類があり、おもちに含まれているのは不溶性食物繊維です。水に溶けない食物繊維であるため、腸で水分を吸収し膨張することで、腸を刺激し便通を促してくれます。 ■■食べ過ぎ防止 白米ともち米に含まれているでんぷんは、アミロースとアミロペクチンであり、白米はアミロースが20%、アミロペクチン80%に対し、もち米はほぼアミロペクチン100%です。アミロペクチンが多いほど、粘り気が強くなると言われよく噛むことで、満腹中枢が刺激するヒスタミンの分泌量が増えたり、素早い消化吸収になり血糖値の上昇も早くなったりすることで少量でも満腹中枢が刺激されて、満腹感を得やすいです。加えて、食物繊維も豊富なため腹持ちが良く食べ過ぎ防止にもつながるでしょう。 ■■小顔効果 粘り気の強いおもちを食べるには、よく噛まなければなりません。顔の周りの筋肉を動かすことで、ほほやあご周りの筋肉が通常よりも刺激されて、たるみ予防や小顔効果も期待できます。理想は、1口30回噛むことです。最初は難しいかもしれませんが、まずは今よりも10回噛む回数を増やしてみてくださいね。 ■おもちと一緒に食べたい3大食材 ■■きなこ 別名「畑の肉」とも呼ばれる大豆から作られるきなこは、たんぱく質や食物繊維、ナトリウム・鉄・カルシウムなどのミネラル、大豆イソフラボンを豊富に含んでいます。大豆を炒って粉状にしたものであるため、大豆の栄養を丸ごといただけます。 ■■あずき 小豆は炭水化物(糖質・食物繊維)が主である豆です。他にも、たんぱく質やビタミンB群、鉄やカリウムなどのミネラル、抗酸化作用のあるサポニンやポリフェノールなどさまざま栄養素がバランスよく含まれています。そのため、便秘改善やアンチエイジング、貧血予防・改善、冷え性改善、高血圧予防なども期待できるため、あんこにしておもちと一緒に食べるのはおすすめです。 ■■大根おろし 大根には糖質(でんぷん)分解酵素が豊富に含まれています。そのため、粘り気が強く、よく噛まなければ消化のスピードも緩やかになってしまいますが、大根おろしを絡めることで、消化のサポートになり、消化吸収がスムーズになります。食べ過ぎによる胃もたれなどが気になる場合には、特に大根おろしを絡めて食べることをおすすめします。 ■おもちを食べる時に気をつけたいこと おもちはその粘り気の強さから噛み切るのが難しいため、気をつけて食べないと喉に詰まり、窒息を引き起こしてしまうリスクもあります。特に、咀嚼機能が高くない高齢者や小さな子どもに関しては、通常よりも工夫して食べることが必要です。食べやすい大きさにカットしたり、よく噛むことを意識したり、しっかりと食べ終わってから次の一口を食べたり、喉をしっかりと潤して通りがよい状態で食べたり、消化を促す大根おろしと一緒に食べたり、汁物に入れて食べたり、一工夫することを心がけましょう。 ■次の鏡開きは一工夫して腸活も一緒に楽しみませんか? 1年に1回の鏡開きを楽しむためにも、一工夫しておもち食べることで、腸内環境を整えて体の内をきれいにして1年をスタートしてはいかがでしょうか? 【参考文献】 文部科学省 | 日本食品標準成分表2020年版(八訂)増補2023年 厚生労働省|e-ヘルスネット 農林水産省|鏡もちの由来と美味しく食べるコツ ライター/管理栄養士 亀崎智子 管理栄養士×セラピスト(野菜ソムリエ・中級食品診断士 )。食に関する講演や記事執筆・監修、体の本来の機能を取り戻すお手伝いをする整体のセラピストとして、家族丸ごと体の内と外にゆとりをつくるサポートを行っている。また、満月の日に、乾物と塩で作るふりかけと即席スープの素の製造販売も行っています。インスタグラム:kamegohan0528 協力/NS Labo
NS Labo(栄養サポート研究所)