継続路線も即戦力を補強し期待のシーズン

山形ワイヴァンズ

石川裕一ヘッドコーチを招聘し、ロスターも大きく入れ替えた昨シーズンは、31勝29敗で東地区3位となり3シーズンぶりのプレーオフ進出を果たした。今オフは柳川龍之介と鈴木大が引退を発表したものの、昨シーズンからの積み上げを重視するように多くの選手が契約継続となり、新加入は4選手のみとなった。 過去5シーズンに渡りバックコートを支えていた中島良史が2シーズンぶりに復帰し、2021-22シーズンにB2アシスト王に輝いた俊野達彦が横浜エクセレンスから加入した。さらに昨シーズンに練習生として千葉ジェッツで活動したルーキーの佐藤巧が加入。ブラジル代表経験もあるインサイドプレーヤーのレオナルド・デメトリオも加わり、継続メンバーとの融合を目指す。積み上げを重視し、プレーオフ進出とその先のクラブ史上初のセミファイナル突破を十分に狙えるロスターが揃った。 昨シーズン、多くの場面でアドバンテージを得ていたジェームズ・ベルとルーズベルト・アダムスは、今シーズンも毎試合30分程度の出場時間が見込まれるだろう。2ポイントシュートの試投割合がリーグ最下位、3ポイントシュートの試投割合がリーグトップと完全なる3ポイントシュートチームであるため、成功率を上げられるオフェンスが展開できるかに注目。主力の多くが継続であるため、新しい戦術やシステムにもチャレンジして飛躍のシーズンにしたいところだ。 注目選手 ジェームズ・ベル 日本で3シーズン目を迎える山形のエース。昨シーズンは58試合中54試合で先発を務め、平均17.5得点、5.5リバウンド、4.3アシスト、1.1スティールとオールラウンドに活躍。多くのチームが『ベル対策』を十分にしてくる中で、どれだけ高いパフォーマンスを発揮してくれるのか楽しみだ。 岡島和真 弱冠20歳ながらBリーグでのプレー経験は4シーズン目に突入する。昨シーズンは平均9.3得点と非凡な得点能力を発揮し、20得点以上を5試合で記録した。クラッチタイムを任されることもあり、今シーズンはより一層チームの中核を担うことが期待される。スピードを生かした鋭いドライブからのアシストにも注目だ。 俊野達彦 2シーズンに渡りB3でプレーし、再びB2の舞台へ戻ってきた。昨シーズンはケガも影響して37試合の出場に留まりスタッツも落としたが、オフェンスの起点となるドライブや激しいディフェンスで存在感を示していた。バックコート陣のプレータイム争いも熾烈になるが、経験値の高いベテランはコート内外でポジティブな影響を与えてくれるだろう。