7月末再開のNBAで八村塁と渡邊雄太は何を目指すのか…彼らの「アンフィニッシュト・ビジネス」とは?
昨季グリズリーズと2年のツーウエー契約を結んだ渡邊は、今季がその最終シーズン。つまり勝負のシーズンだ。 NBAの下部Gリーグでは22試合に出場して1試合平均17.2得点、5.7リバウンドと十分な成績を残し、あとはNBAで見せる機会を待つのみで、本人も「今はチャンスさえもらえれば、ある程度出来ると思っている」と自信を滲ませていた。1月終盤以降はGリーグをほぼ離れ、グリズリーズに帯同。3月4日のネッツ戦では5分43秒の出場ながらスリーポイント成功を含む5得点、2リバウンド、1スティール、続くマーベリックス戦では4分9秒の出場で2本放ったフィールドゴールをともに決め、4得点、2リバウンド、1スティール。5分前後の出場という結果を残しにくい時間帯で、しっかりアピールしていた。 グリズリーズはギリギリの位置ではあるがプレーオフ進出圏内。渡邊にとっての最高のシナリオは、チームがそのまま好位置を保ち、レギュラーシーズンが終わるまでにNBA契約を勝ち取ってプレーオフを経験することだった。 まさにこれからという時の中断だった。それだけにシーズン再開は渡邊にとって朗報。8日にはマネジメント事務局を通して「この度、NBAから正式にシーズン再開の発表があり、非常に嬉しく思っております」と喜びのコメント。 中断中のトレーニングにより「中断前よりも肉体的に改善できた部分も多くありました」と報告し、「メンフィス・グリズリーズの一員としてまずはプレーオフ進出を目指して頑張っていきたいと思っております」と意欲を見せた。 12日には、スポーツ専門サイトESPNなど複数のメディアが、各チームともツーウエー契約を含む17選手を開催地に帯同できるようになると報じた。以前はツーウェー契約選手の帯同にNBAが難色を示しているとされていただけに、好転。正式に決まれば、渡邊のチャンスはさらに広がりそうだ。 今季はNBAでの“日本人初対決”も実現させた八村と渡邊。再び始動するシーズンにどんな姿で戻ってくるか、期待は膨らむばかりだ。 (文責・山脇明子/米国在住スポーツライター)