質が劇的改善! リサーチのプロが教える「失敗しないアンケート設計」5つの極意
どちらもブランドイメージを調査したものだが、集計結果は大きく異なる。絶対評価で調査した場合、競合企業とのイメージ差はあまり目立たない。しかし、一対評価で調査すると、競合とのイメージ差が鮮明になり、消費者理解に大きな差が生まれた。
┌────────── 実際に商品を購入する際にも『センスがいいのはA社』『最近売れているのはB社』のように、A社やB社が主語ではなく『〇〇なのは』という形で認識していると思います。これはカテゴリーエントリーポイントにも通じる考え方です。アンケートを設計する際も、『〇〇なのは』とイメージやシーンを主語にする方法を取り入れると良いでしょう(渋谷氏) └──────────
■ 4. アンケートを作るときは「限定」を意識する 渋谷氏は、アンケートを作る際のポイントを3つ紹介した。 □ 定義や範囲を「限定」する ・「誰に、何について、何を聞いているのか」を明確にする ・「言葉、期間、範囲、業界用語」などの定義を明確にする ・1つの 質問は1つに限定する(ダブルバーレル) NG例:店員の「接客態度」と「知識」についてどう思いますか? □ 回答者を誘導しない ・都合のよい回答を導くための誘導は行わない NG例:「最近話題になっている○○」など □ 回答できることを聞く ・自分が答えられないのに、相手が何でも答えられると思わない NG例: 3年前に買った日用品の個数 回答者の立場に立って、誤解を招かない設問文や選択肢を作れているかチェックしよう。 ■ 5. 選択肢は「MECE」と「アクションにつながるか」を意識する
最後のポイントでは、選択肢の作り方を紹介。まずは、思いつく選択肢を書き出す。
次に、それが「MECE」(モレなく、ダブりなく)になっているかを確認する。MECEにするためには、書き出した選択肢を何らかのフレームワークに当てはめて分類する。下の図は「7C」のフレームワークを参考にして項目を分類した例である。フレームワークを使うことで、足りない項目や選択肢に気づき、MECEを達成しやすくなる。