スーパーカー豊作の年に輝いた1台|マクラーレンの新型最高峰モデル「W1」
2024年を振り返ると、6月にはブガッティ・トゥールビヨンが発表され、10月にはマクラーレンW1とフェラーリF80のワールドプレミアが相次いだ、いわばスーパーカー豊作の年だった。その中から、マクラーレンの新型ハイブリッドスーパーカー「W1」を紹介する。 写真はこちらから→スーパーカー豊作の年に輝いた1台|マクラーレンの新型最高峰モデル「W1」 文/竹井あきら
スーパーカー豊作の年に輝いた1台
ランボルギーニ・ミウラにカウンタック、フェラーリ・テスタロッサにF40と、1960年代から80年代を彩ったのはイタリア生まれのスーパーカーだった。そして日本でもホンダNSXが誕生した1990年代は、まさにスーパーカー百花繚乱時代。その中でも圧倒的な存在感を放ったのが、マクラーレン初のロードゴーイングカーにして、F1マシン設計者として名高いゴードン・マレーが手がけたマクラーレン「F1」だ。 1992年に発表されたF1は、その名の通りフォーミュラ1マシンからの知見が存分に活かされ、市販車として世界初となるカーボンファイバー製シャシーに最高出力627psを発生するV12エンジンを搭載、中央に運転席を、その左右後方に2席の助手席を配するユニークなシートレイアウトを持つ。このエポックメイキングなスーパーカーの血統を継承するのが、2012年発表の「P1」、そして2024年10月6日に発表され、同じく昨年11月13日に日本初公開となった「W1」だ。 マクラーレンのスーパーカー哲学の究極形として登場したW1のV8ハイブリッドパワートレインは、マクラーレン史上最大の最高出力1275PS、最大トルク1340Nmを発生。対して重量を1399kgに抑えることで、クラス最高にしてマクラーレン・スーパーカー史上最高のパワーウェイトレシオ911PS/tを実現した。 ボディとフレームを一体化したW1専用のカーボンファイバー製モノコック「マクラーレン・エアロセル」と、「マクラーレン・アンへドラル・ドア」が造形するその姿は、空力性能を念頭に最適化されたモータースポーツ技術の結晶であり、スーパーカーそのものだ。 後方に300mm展開する「マクラーレン・アクティブ・ロングテール」リアウィングを備え、サーキット走行時には「レースモード」を選択することで、ライドハイトはフロントで37mm、リアで17mmダウンし、最大1000kgのダウンフォースを生むことができるという。 シートはエアロセルモノコックに一体化するユニークな構造を採り、ペダル、ステアリングホイールといった主要な操作系を可動式とすることで、ドライバーを包み込むような最適なコクピット環境が提供される。 また、オーナーのニーズに応じてエクステリア、インテリア、パフォーマンスなどをカスタマイズするマクラーレンの社内ビスポーク部門「マクラーレン・スペシャル・オペレーションズ」によって、ビスポークには“ほぼ無限の選択肢”が用意されるという。 価格は200万ポンド(約3億9000万円)から。生産台数は399台限定で、すでに完売御礼となっている。 惜しくも入手が間に合わなかったという諸氏は、マクラーレンの他のモデルもチェックしてみていただきたい。200万ポンドで麻痺した目にはお手頃に見えるプライスタグもあるし、スーパースポーツ然とした美しいスタイリングの各モデルを眺めるだけで初夢気分に浸れること請け合いだ。
サライ.jp