<センバツ>史上最弱の代の主将「だから伝えられる」 習志野・板橋部長、星稜戦を前に意気込み
第91回選抜高校野球大会に出場中の習志野では、監督、部長、コーチとして選手を指導するOBが3人いる。板橋洋部長(50)は「史上最弱」と言われた代の主将で、指導者のうち唯一、現役当時の甲子園出場経験がない。「自分のような経験をしているからこそ伝えられることもあると思う」と選手たちに向き合っている。 【習志野の1回戦をダイジェスト動画で】 1984年に習志野に入学。捕手、内野手として活躍した。2年夏から同級生でスタメンの半数を占め、3年夏は甲子園を期待されたが、県大会2回戦で敗れた。自分たちより期待が薄かった後輩たちは翌年夏、甲子園8強まで進んだ。「強いと言われたチームが簡単に負け、弱いと言われたチームが思わぬ結果を残す。野球は何が起こるかわからない」と実感した。 大学卒業後、中学教諭として約20年間、野球部を指導。2013年に習志野に赴任した。能力の優劣に関わらず、選手の話を丁寧に聞きながら指導することを心がける。ベンチ外の選手でも、思わぬ成長でレギュラーを追い越すこともあると考えている。 24日の日章学園(宮崎)との1回戦で2点適時三塁打を放った高橋雅也選手(2年)は「昨夏にメンバー入りを逃して落ち込んだ時、部長が『お前はもっと上でプレーできる』と頻繁に声をかけてくれて自主練習の支えになった」と振り返る。 習志野ナインは27日、兵庫県西宮市内の球場で、星稜(石川)との2回戦(28日午後2時開始予定)に向けて調整した。板橋部長は「全国トップクラスの強豪を相手に、選手たちがどんな野球をするのか楽しみ」と期待している。【秋丸生帆】