三菱電機、先進レーダ衛星「だいち4号」を公開 2024年度打ち上げ予定
一方、取得される観測データの大容量化にあわせて衛星側のデータ蓄積容量は「だいち2号」の約128ギガバイトから「だいち4号」では約1テラバイトに増強されました。地上へ伝送される観測データも大容量化することから直接データ伝送系で使用する電波の周波数帯はX帯からKa帯に変更されており、伝送レートも「だいち2号」の約800Mbpsから「だいち4号」では約3.6Gbpsに高速化されています。 さらに、「だいち4号」には「だいち3号」と同様に、レーザー光を用いた低軌道衛星用光ターミナル「OLLCT」が搭載されています。この機器はJAXAが開発を進めている光衛星間通信システム「LUCAS」で使用されるもので、静止軌道上の「光データ中継衛星」との間で衛星間通信の運用実証が行われる予定です。
■技術実証として船舶自動識別装置の信号を受信できる装置を搭載
また、「だいち4号」には技術実証を目的に、一定の基準を満たす船舶に搭載が義務付けられている船舶自動識別装置(AIS)の信号を受信する船舶自動識別信号受信器「SPAISE3」も搭載されています。AISは船名・位置・針路・速力などの船舶情報を他の船舶や陸上局との間で自動的に送受信するための装置です。 JAXAによれば、AISで陸上局がカバーできる範囲は海岸から37~55キロメートル(20~30海里)程度と限られているものの、衛星なら外洋の船舶も広範囲でカバーすることができます。同様の受信器は「だいち2号」などにも搭載されましたが、「だいち4号」のSPAISE3では過去の装置で課題だった船舶が混雑する海域での信号受信率改善が期待されており、AISを搭載していない船舶も把握できるSARによる観測を併用することで船舶の航行安全に貢献することが期待されています。 Source 三菱電機 - 先進レーダ衛星(ALOS-4) JAXA - 先進レーダ衛星「だいち4号」(ALOS-4) JAXA 第一宇宙技術部門 サテライトナビゲーター - だいち4号(ALOS-4) JAXA地球観測研究センター - ALOS利用推進研究プロジェクト
sorae編集部