三菱電機、先進レーダ衛星「だいち4号」を公開 2024年度打ち上げ予定
三菱電機は2024年3月11日、先進レーダ衛星「だいち4号(ALOS-4)」を報道関係者に公開しました。「だいち4号」は2014年5月に打ち上げられた陸域観測技術衛星2号「だいち2号(ALOS-2)」の後継機となる宇宙航空研究開発機構(JAXA)の地球観測衛星です。【最終更新:2024年3月11日18時台】 直近のロケット打ち上げ情報リスト 「だいち4号」には昼夜や天候を問わずに地上を観測できるLバンド合成開口レーダー(SAR)が「だいち2号」に引き続き搭載されており、「だいち2号」と同じ高度約628キロメートル・軌道傾斜角97.9度の「太陽同期準回帰軌道」(※)から地上の観測を行います。開発・製造は三菱電機をプライムコントラクターとして2016年度にスタート。衛星の質量は「だいち2号」の約2.1トンから「だいち4号」では約3トンに増加し、後述するLバンドSARの能力向上にともなって太陽電池の発生電力は約5300ワットから約7000ワットに向上しています。 ※…衛星の軌道面(軌道が描く平面)と太陽のなす角が常に同じ「太陽同期軌道」と、数日間隔で同じ地域の上空を同じ時間帯に通過する「準回帰軌道」の特徴を併せ持つ軌道のこと。
当初「だいち4号」はH3試験機2号機に搭載される予定でしたが、2023年3月にH3試験機1号機が先進光学衛星「だいち3号(ALOS-3)」の軌道投入に失敗したことを受けて試験機2号機にはロケット性能確認用ペイロードが搭載されることになったため、打ち上げが先送りされました。現在は2024年度中の打ち上げを目指して準備が進められています。「だいち4号」は衛星の開発がすべて完了しており、鹿児島県の種子島宇宙センターへ送り出されるのを待っている段階です。 「だいち4号」の公開は神奈川県鎌倉市にある三菱電機鎌倉製作所で開催され、三菱電機の境勝哉さん(防衛・宇宙システム事業本部 宇宙システム事業部 副事業部長)と白坂道明さん(鎌倉製作所 衛星情報システム部 プロジェクト部長)、JAXAの有川善久さん(第一宇宙技術部門 先進レーダ衛星プロジェクトチーム プロジェクトマネージャ)らが登壇して説明が行われました。