元SMAP「森且行」日本一の称号を手にした82日後にケガ「下半身の50%に感覚がない」
かつて日本中を熱狂させたトップアイドル、森且行。1996年、彼は突然SMAPを脱退し、幼い頃から抱いていた夢――オートレーサーの道を選んだ。そして2020年、ついに念願の日本選手権で優勝し、「日本一」の称号を手にした。しかし、その栄光は長く続かず、わずか82日後、レース中に落車し、「一生車いす生活になるかも」と診断された。 【写真】落車して入院中の森且行さん それでも、森は諦めなかった。5度の手術と過酷なリハビリを経て、奇跡的に復帰を果たした。その軌跡を描く『オートレーサー森且行 約束のオーバル 劇場版』は、彼の不屈の精神を鮮やかに映し出している。
インタビューでは、過酷なリハビリの裏側や、年齢にとらわれず夢を追い続ける理由、そしてSMAPへの深い思いが語られた。 ■「どうせ丸刈りにするなら、俺たちの手でやろう」 「お互い日本一になろう」と誓い合い、森のテレビ出演は幕を閉じた。22歳、森且行はアイドルとしての華やかな世界に別れを告げ、自らの手でオートレーサーの道を選んだ。 養成所に入る前夜、SMAPのメンバーたちが集まり、彼のために「断髪式」が行われた。
「丸刈りにするとき、メンバー全員が駆けつけてくれました。吾郎ちゃんは用事があって来られなかったけど(笑)。でも、中居くんが『どうせ丸刈りになるなら俺たちでやってやろう』って言ってくれて、みんなでバリカンを入れてくれたんです」 仲間たちに支えられながら、新しい道を選んだ森。その瞬間、彼らとの絆は一層深まった。最後の日、一緒に食べたハヤシライス――友情と新たな決意を分かち合う、忘れられない特別な一皿。
■観客席から飛んだ冷たいヤジ SMAP脱退から1年、1997年7月6日――ついに森且行のデビュー戦の日が訪れた。 川口オートレース場には3万5000人もの観客が詰めかけ、無数の視線が彼の背中に突き刺さる。全身を包み込むような緊張感が押し寄せる中、森は静かに自分に言い聞かせた。 「これだけ応援してくれている人がいるんだ。絶対に勝たなきゃ」 エンジンの轟音が響き渡り、スタートの瞬間、アクセルを一気にひねった。ライバルたちを一瞬で振り切り、そのままゴールラインを駆け抜けた。デビュー戦、堂々の1着だった。