元SMAP「森且行」日本一の称号を手にした82日後にケガ「下半身の50%に感覚がない」
前に前に いつでも 前に前に空の彼方 僕らもっともっと飛べるよ」 迎えたリハビリの最後の試練は、1階から18階までの階段を登り切ることだった。 森は一瞬「嘘だろ?」と驚いたが、一歩一歩、痛みに耐えながら階段を登っていく。 そして、その努力はついに実を結んだ。 「最後の階段を登り切った瞬間、何かが解放されたような気持ちでした。『やっとここまで来た』ってね」と振り返る。 森が落車してから約1年を迎えた2022年1月、5回目の手術が行われた。背中に埋め込まれていたプレートと250グラムのボルトは、4時間の手術で取り除かれたが、骨盤を支えるボルトだけは一生残ると告げられた。それでも森の決意は揺るがなかった。彼はすぐにリハビリを再開し、次のステージに向けて準備を進めた。
怪我から2年3カ月が経ち、ついに復帰戦を迎えた。50歳となった彼は、S級レーサーとしての地位を取り戻し、さらに高いランクへと上り詰めた。 2024年秋、森の体にはまだ下半身の50%に感覚がない部分が残っている。普段の歩行には問題はないが、運転や慣れない場所では足に装具が欠かせない。それでも現実に屈せず、挑戦を続ける理由をこう語る。 「オートレース以外に自信がないんです。走ることが僕の唯一の自信。それ以外にできることがないからこそ、もう一度日本一の舞台に立ちたい。体にはたくさんの爆弾を抱えていますが、一走一走を全力で楽しみ、あの舞台に戻れるよう努力を続けています」
■メンバーカラーに込めた思い そんな森の不屈の闘志と挑戦し続ける姿を描いた『オートレーサー森且行 約束のオーバル 劇場版』が、11月29日より全国で公開される。 冒頭から「いつ死んでもいい」という覚悟を抱えながら、再び日本一の頂点を目指す森。その強い決意を支えるのは、かつてのSMAPでの経験だという。 「SMAPでの経験は、僕にとって本当にかけがえのない宝物です。あの頃、限界まで体を酷使していた日々が、今の僕を支えている」