☆旧車スーパーカブ☆クランクケース内圧コントロールバルブで何が変わる!?
排気量アップによって圧倒的な走りの違いを体感できるホンダ横型OHCエンジンの世界。同一のクランクケースでボアアップすれば、当然ながら、大きくなったピストンによるポンピングロスが増えてしまい、それを受ける「クランクケース内圧」は高まってしまうものだ。そんなクランクケース内圧の過剰な高まりを抑制するパーツとして、考案されたのが「クランクケース内圧コントロールバルブ」である。実際に装着することで、どのような変化を体感できるのだろう!? 【画像】旧車スーパーカブいじりをギャラリーで見る(14枚) 文/Webikeプラス たぐちかつみ
削り出し部品とコントロールバルブを組み合わせて理想形追求
これまではホンダ横型エンジンのブリーザー機能へ内圧コンシロールバルブを組み込む際に、一番多かったのは、オイルフィラーへ取り付けたブリーザーホースへの組み込みや、タペットキャップから取の出すブリーザーホースへの組み込みだった。この新型は、カムスプロケットカバーから圧抜きし、しかもカムシャフト軸の延長上からホースを取り出すため、エンジンオイルが吹き出しにくい理想的な構造となっている。シュパーブと命名されたクランクケース内圧コントロールバルブ本体内には、エマルジョン(乳化したオイル)が堆積してしまうものなので、それを外部へ排出し、常にスムーズなバルブ作動を実現している。
通称「角目カスタムC90」にて取り付け実践
内圧コントロールバルブを取り付けたモデルは、1991年頃に生産された角形ヘッドライトのC90カスタム。通称、角目カスタムの90だ。トルクフルなエンジン特性で50や70のノーマルエンジンとは明らかに走りが異なる。果たしてどのような結果を得られるのか楽しみだ。コントロールバルブ内に堆積する僅かなエマルジョン(乳化した汚れ)は、インマニに吸われて排出。四輪車のPCVコントロールと同じ環境回路を採用している。
エアークリーナーケース戻しのブローバイ回路に組み込む
純正エアークリーナーケース内にブリーザーガスを戻す還元仕様なので、その途中に内圧コントロールバルブをセットした。エアーエレメントが汚れていたら交換しよう。指定された太さのキリを使ってエアークリーナーケースのドレン穴を拡大加工。ここでは、ボール盤を使っているが、ハンドドリルで穴を拡大加工しても良い。エアークリーナーボックスのドレン穴は、パイプ形状の排出になっているので、そのパイプにキット部品のアルミ削りだしフィッティングを締め込みプライヤーで固定。ドレン穴が大きくなり、ブローバイガスのブリーザーの通気が良くなった。加工時に出た樹脂の切り粉はしっかりの除去し、忘れずにエアーブローしておこう。これが取り付けに当たって第1の追加工になる。クランクケースの後方から地面へ向けて、純正のクランクケースブリーザーチューブが取り回されているが、このチューブにアルミ削り出しの栓を押し込み、結束バンドで抜け止めをして機能不全にする。すべてのケースブリーザー機能は、シリンダーヘッドへ集約される。