元ソフトバンク摂津さん、医療テーマに広がる活動 白血病きっかけ
プロ野球・福岡ソフトバンクホークスの投手として活躍し、2018年シーズン限りで現役を引退した摂津正さん(42)が、医療をテーマにした活動に力を入れている。 【写真】慢性骨髄性白血病を告知された時、妻は…… 21年1月に「慢性骨髄性白血病」と診断されたことがきっかけだ。病院で講演や意見交換をしたり、骨髄バンクのドナー登録を呼びかけたりと、患者の立場から積極的に活動している。 9月中旬には、長崎県対馬市を野球イベントで訪れた際、県対馬病院にも足を運んだ。 施設を見学し、医師らスタッフとの意見交換会にも参加。「離島の病院が抱える課題について教えてもらい、自分は患者の立場から不安な気持ちや要望を話した」と摂津さん。今年は福岡市の病院でも講演し、自身の病気について話した。 さらに、飲み残しなどで大量の薬が廃棄される「残薬」の問題にも、関心を広げている。病気のことをSNSで公表したことで、同じ患者らとつながり、高額な薬の話題になったという。 自身はいま服用している抗がん剤に巡り合うまで何度か薬を変え、それまでの薬は廃棄することになった。過去の調査では、抗がん剤だけでも全国で年間700億円超が廃棄されており、摂津さんは「患者となって身をもって感じる。自分に何かできることがあればしていきたい」と話す。 摂津さんはJR東日本東北に所属していた社会人野球8年目の26歳の時にソフトバンクからドラフト指名され、直後の09年に新人王、最優秀中継ぎのタイトルを獲得。3年目からは先発投手に転向し、12年には「沢村賞」に輝いた。同年から5年連続でシーズン開幕投手を務めた。通算282試合登板、79勝49敗1セーブ73ホールド。 現在は野球解説者のほか、趣味の釣りを生かし、RKBラジオ「摂津正のつりごはん」にも出演している。(波多野大介)
朝日新聞社