秋本前議員、秘書通じ国会質問依頼 「答弁引き出し感謝」連絡も 検察側冒頭陳述・洋上風力汚職
洋上風力発電を巡る汚職事件の初公判で、検察側は前衆院議員の秋本真利被告(49)が秘書を通じて「日本風力開発」元社長、塚脇正幸被告(65)から国会質問を依頼されたと指摘した。 後日、塚脇被告の秘書が「的確かつ明瞭な答弁を引き出していただいたと感謝しております」とお礼のメッセージを送っていたことも明らかにした。 検察側冒頭陳述によると、塚脇被告は2019年2月、同社が参入を目指していた青森県の洋上風力発電事業に関し、防衛施設に与える影響から頓挫する恐れが高いと考えた。そこで、秋本被告が国会質問に立った同月27日、県に事業者側への情報提供を促す趣旨の質問をするよう秘書を通じて依頼した。 塚脇被告の秘書は翌28日、「塚脇から先生へは後日直接お会いしてお礼します」とのメールを送信。約2週間後、秋本被告は議員会館事務所を訪れた塚脇被告から、現金3000万円を無利息無担保で借りた。 また塚脇被告は、21年12月に同社が秋田県などでの公募で選定から漏れた翌月、秋本被告に対し事業者の選定基準を見直すべきだとする文書を送付。秋本被告は22年2月の国会質問で基準見直しを求め、翌3月に国が見直し開始を発表した。その後、塚脇被告は秋本被告に「業界に激震が走ってます」「いい意味で」とメッセージを送った。 検察側は、秋本被告が19年2月以降、計4回の国会質問などで同社に有利な取り計らいをした謝礼の趣旨で、新たな選定基準公表の翌日に塚脇被告の秘書から現金1000万円を受け取ったと指摘した。