上野で16年愛された隠れ家フレンチの名物を気軽に味わえるワインバー
トマトファルシ✕爽やか白ワイン
ククゥーでまず頼みたいのは、名物でもある「カニを詰めたトマトのファルシ」。コーダリー時代からの名物を近藤さんがアレンジしたもの。
皮を剥いたトマトにかにサラダが詰められているのは同じだが、爽やかなバジルソースが敷き詰められているのが特徴。
「ありがたいことに昔からの常連さんもいらっしゃいますが、みんなこれを目当てにするほど人気の一品ですね」と近藤さん。
トマトのファルシに合わせたいのは、オーストリアの白ワイン。「ソーヴィニヨン・ブランとピノ・ブランをブレンドした白ワインです。全体にミネラル感があるので、カニのサラダにぴったり、ピノ・ブランの果実味にソーヴィニヨン・ブランのハーブっぽいニュアンスがプラスされているので、バジルソースの爽やかさともマッチします」と近藤さん。ワインは時間が経つに連れ、ミネラル感が出てくるため、名物をじっくり味わいながら一緒にいただきたい。
ラムの春巻き✕エレガント赤ワイン
食事の中盤に赤ワインと一緒にいただきたいのが「羊の春巻き」。「赤ワインに合うカジュアルなものをなにか出したくて作ったのがこちら。羊のほかにクミンとパクチーがたっぷり入っています」と近藤さん。
スティックのままかじると、スパイシーな香りが漂い、赤ワインを誘う一品となっている。
羊の春巻きにおすすめなのが、フランス・ジュラ地方のプールサールという品種の赤ワイン。「プールサールは、色は薄いですが果実味もタンニンもほどよくある赤ワインです。少し渇いたようなニュアンスのタンニンが羊やクミンのようなクセのある料理ととてもよく合います」と近藤さん。赤ワインが重たすぎず、羊の春巻きにちょうどよいバランスの組み合わせで、タンニンが最後にアクセントを添えていた。
牛ホホ肉の赤ワイン煮✕熟成まろやか赤ワイン
メインディッシュにはレストランのような一皿も用意されている。「赤城牛ホホ肉の赤ワイン煮込み」は、3時間煮込まれているため、ナイフを入れるとスッと切れるほど軟らかい。
伝統的な赤ワインソースにフランボワーズが加えられ、紅はるかの蜜たっぷりの付け合わせが添えられている。ワインバーでこれだけの一皿が1000円台でいただけるのは、かなりうれしい。