上野で16年愛された隠れ家フレンチの名物を気軽に味わえるワインバー
牛肉の赤ワイン煮込みには、ブルゴーニュの赤ワインを合わせるのが定番だが、自然派ワインなら熟成した南仏ワインとペアリングするのもおすすめ。「南仏の赤ワインは果実味たっぷりのイメージですが、こちらは10年間熟成してまろやかになっているので、牛肉の赤ワイン煮込みを引き立ててくれます」と近藤さん。赤ワインは熟成して落ち着きと柔らかさがあり、クラシックな組み合わせにも負けない王道の良さが感じられた。
近藤さんの「私が恋した自然派ワイン」
近藤さんが恋した自然派ワインは、そのワインを「唯一無二」と表現するアレクサンドル・バンのワイン。
「もう20年くらい前に出会ったワインですが、初めて飲んだときの衝撃は忘れられません。フランス・ロワール地方のプイィ・フュメのソーヴィニヨン・ブランといえば、通常はハーブのニュアンスのある爽やかなワインなのですが、こちらはとろっとした蜜のような味わいがあって、ソムリエ人生の常識をひっくり返すような驚きがあったのを覚えています。その理由は土壌の古さや一部貴腐ブドウや早熟なブドウもごちゃまぜにしているから。酸もしっかりありながら貴腐の蜜のニュアンスがあって、ほかを寄せ付けない個性があるワインだと思います」
ブルゴーニュと世界の自然派ワインをラインアップ
ククゥーにはワインセラーに500種類以上のワインがぎっしり。半分はブルゴーニュで半分は世界の自然派ワインが静かに眠っている。ブルゴーニュは2000年代前半のバックヴィンテージもあり、特別なときにいただきたい。自然派ワインはヨーロッパを中心に近藤さんが心地よく飲めると思ったものをセレクトしている。グラスワインは常時10種類(1,000~2,000円)あり、シャンパーニュも日替わりで1種類(1,600円)用意されている。ボトルワイン(6,000~3万円)はリストがなく、ウォークインセラーに入って選ぶこともできる。
昼飲みもOK。肩の力を抜いて楽しめる
ククゥーは、フランス料理店時代の名物や本格的な一皿がシャンパンやブルゴーニュとともに味わえるだけでなく、ワインに合う春巻きやフリットなどカジュアルなおつまみを自然派ワインと組み合わせられるワインバー。