中学受験の学校選び「偏差値で決めない、これ絶対!」の理由を大人気YouTuberユウシンさんが解説。共学が増える流れのなか、男子校、女子校それぞれの良さとは?
ひと口に附属校といっても大学への進学率に違いがある
――大学の附属校に行くかどうか、というのは……? 大学がついているほうが安心という親心もあります。 大学受験がないと進学をあまり気にせずのびのびと中高生活を送ることができるのはメリットです。受験に特化した教育ではなく、ひとつの学びを深掘りしながら、じっくり取り組むこともできます。 ただ、一口に「附属」といっても、ほとんどが附属の大学に入れる学校と、大学に入れる割合が少ない学校があります。また、大学があってもあえてその大学に行かずに受験をする生徒が多い学校もあります。それによって受験対策も変わってきますので、進学先のデータをとらえて把握しておきましょう。 附属校から大学に行くのは学部選択が限られますね。その大学にない学部には行けず、他の大学に出たいと思っても、受験に熱心な中高一貫校とはカリキュラムも勉強のスタイルも違って、受験しにくいという学校もあります。入学前に大学についても情報収集しておいたほうがいいですね。 僕は巣鴨高等学校から受験して慶應大学に進学しました。附属校から大学に来た子たちはのびのびしていますし、いい意味で「いい子」「バランス感覚の優れた子」が多くて好感度が高いですよ。メリットとしてとらえるといいですね。
寮のある中高一貫校も視野に。遠方の学校も志望校になる
あと、もうひとつ、学校選びにおいて提案したいのは、「寮のある学校」に注目することです。盲点かもしれませんが、僕はそれもまたよし、と思っています。 ――中学から寮に入るのですか? まだ大人になりきれていないのに親から離れるのは心配です。 たしかに心配かもしれませんが、学校が責任を持ってみてくれます。寮生活では、とにかく生活力が身につきます。家ではいくら起こしても起きなかった子も、仲間といっしょなら規則正しい生活になります。勉強時間も決められている場合が多いので、勉強習慣がしっかりつくようですよ。 コミュニケーション力もつきますよね。寮の仲間とは寝食ともにした深い関係になります。関係性はうまくいくこともあればうまくいかないこともありますが、それらを解決する能力も身についていきます。つまり、人間的に大きく成長するんです。 ■思春期の子どもが寮生活を体験すると親との関係性が好転 ――子どもと滅多に会えないとなると、子どもの様子もわかりにくいです。 教育内容などに共感した上でご自宅から飛行機や電車の便のいいところを選べば、しょっちゅう帰ってこられるようです。週末ごとに帰ってくる子もいるようですし、長い休みはずっと自宅で過ごすお子さんも多いですね。 中高時代は思春期と重なり、保護者との関係性が難しくなるケースも多いです。離れていることで親子の関係もちょうどいい距離感となり、むしろ関係性がよくなることも。普段だったらほとんど口をきかない子が、たまにしか家族に会わないので、帰省時は学校でどんなことがあったか、よくしゃべる、という話も聞きます。 デメリットは費用がかかること。何人もお子さんがいたら厳しいですよね。でも、地元にいい学校がない、寮のある学校でとてもいいところを見つけた、というのなら、お子さんと見学に行き、お子さんの意向を聞いてみてもいいのではないでしょうか。 東京や神奈川の中学の受験日は2月以降です。寮のある他県の学校は1月受験、12月受験ができることも多いので、受験日をバラせるのもいいですね。