小池都知事が定例会見12月22日(全文1)公共施設等ライトアップ基本方針作成
東京都のICT戦略について
2点目、東京都のICT戦略がまとまりましたので、それについてのお知らせでございます。ご承知のようにICTというのはまさしく日進月歩で今、発展をしているところでございますけれども、メガシティ東京において、このICTを縦横無尽にといいましょうか、フルに活用していくということは都民ファーストの政治、行政、どちらにとってもプラスに発展するのではないだろうか、このような考え方をベースに持っております。 そこでこのICTを情報公開、政策へと活用していくために、都におきまして今年の1月に坂村健前東京大学の教授でいらっしゃいますけれども、ICTの先進都市・東京のあり方懇談会を設置したところでございまして、この懇談会から5月に提言を受けております。その提言をベースにして、これからの5年間、都の施策において、どのようにしてICTを利活用するか、その方向性を示すものとして、東京都ICT戦略を策定したものでございます。この戦略に基づいて2020年の東京オリンピック・パラリンピック大会時も東京がICTのショーケースとなりうるような事業を複数展開いたします。そしてそれが、大会が終わったあとでもレガシーとなって東京のICT化の基本、基盤になるということを目指しているわけであります。 基本的な考え方でございますが、4つの柱からなっております。柱1、柱2、柱3、柱4とありますが、1つ目が都市機能や都民サービス向上のためにICTを活用すること。それから2つ目がデータを活用するということ。ICTを活用して官民連携で行政課題を解決する仕組みの構築。4番目が民間のICTの活用を後押しする。都庁が単独でではなく、むしろICTを活用している民間企業、民間の動きをバックアップしていくことによって生産性の向上であるとか新しい価値の創造、そして東京、なかんずく日本の成長につなげていくということが4つの柱になっております。これによって私が目指しているところの3つのシティ、この構築をさらに意味あるものにしていく。つまりスマートシティ、ダイバーシティ、そしてセーフシティとこの3つのシティをつくっていくというものでございます。 セーフシティにおきましては、例えば震災時に水道が漏水をするというようなことをSNSで都民の皆さんから情報を集めることによって、その情報を水道局が共有して、迅速な復旧作業につなげていく、などというのが1つの例でございます。それからダイバーシティにおいては、例えば保育の現場において、パソコンとかタブレットなどで保護者と連絡がすぐ取れるようにするということなど、誰にも優しい、そして誰もが活躍する東京が実現できる、このように考えております。 それから3つ目のスマートシティの例でありますけれども、例えば街角のデジタルサイネージなどをこのICTの活用でリアルタイムでさまざまな情報を流す、そして東京を訪れるインバウンド、外国の皆さんが例えば母国語でそのサイネージから情報を取れるようにするとか、まさしくこの分野っていうのは日進月歩で動いておりますので、こういったことなどもこの数年間の間にかなり進歩するものだと、このように考えております。またサイネージとそれぞれの方々の母国語によるスマホとの連携などによって、いざといったときの緊急情報などをリアルタイムで一斉に配信できるようにするなどなど、本当にこれからICTをどう活用していくかということについてはありとあらゆる場面で重要なこの網、社会インフラになるのではないかと、こう考えております。 こうなればいいなという理想的な部分もありますけれども、いつの間にか昔は夢だったことがあっという間に実現する時代でございますので、うまく民間の方々でアプリなどを作ってらっしゃる方も多々いらっしゃいます。そして都庁が有しているデータっていうのは、これは莫大なものがございます。これをただPDFで貼り付けるのではなくて、APIというデータそのものが生で出る方法などを提供することによって、それを民間のほうで生かして、そしてアプリを作って、アプリ競争があって、より使い勝手のいいものが残るというようなことによって日本のICT技術であるとか、アプリがより充実したものになるのではないかと、このように考えます。 例えば東京都庁が持っているデータで、一番皆さんに知られているのはアメッシュっていう、雨がどれぐらいどこの地域、過去5分間、1時間、3時間前、どれぐらい降ったかっていうのは、あれはすごいデータになるわけですね。それによってどういうふうに雨雲が変化しているかなどなど、これによってまた民間企業がいろんなアプリを考えられるわけでございまして、これと同時に例えば交通情報であるとか、こういった東京の営団であるとか、都バスであるとか、東京都が有しているデータをどううまく活用していくのかということは技術の日進月歩と、それから都民の皆さんのニーズであったり、そういったことがうまく相まっていけば大変な財産になろうかと、このように考えているところでございます。ということで、まずICT戦略を年内にまとめることができました。ICTでも先進都市を目指していき、それがスマートシティにもつながると、このように考えているところでございます。