次戦が混沌化する井上尚弥のフェザー転級を英敏腕プロモーターが語る「イノウエが負ける唯一の形は階級の上げ過ぎ」
次期対戦相手が混沌とする“怪物”の行方に、ボクシング界の大物プロモーターが意見した。 【動画】悪童ネリに逆襲の右ストレート!井上尚弥がドームを熱狂させた貫禄のTKOの瞬間 現地時間5月24日、英興行大手『Matchroom Boxing』のエディ・ハーンCEOは、米スポーツサイト『YSM Sports Media』のYouTubeチャンネルでフラッシュインタビューに対応。そのなかで、世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)の現況に触れた。 今月6日に東京ドームで行われたルイス・ネリ(メキシコ)との防衛戦を6回TKOで制した井上は、その場で次戦の相手としてIBF、WBOのスーパーバンタム級1位に君臨するサム・グッドマン(豪州)を指名。「次戦は9月ごろ、隣にいるグッドマン選手と防衛戦をしたい」と交渉の事実を明かした。 ただ、合意まで秒読み段階にあったはずの交渉は停滞している。7月に母国内での調整試合が決定しているグッドマン陣営が、井上の望む9月開催に消極的なのだという。 無論、グッドマン側が態度を改め、事態が急変する可能性はある。しかし、早期合意に至ると見られていた一戦が思わぬ形で苦戦を強いられているのは紛れもない事実だ。 1試合で莫大な収入を生み出す井上は、いまやボクシング界で常に動静が注目される存在だ。それゆえに停滞ムードが漂う現況にハーンCEOも黙っていない。 元WBAスーパー・IBF・WBO世界ヘビー級統一王者のアンソニー・ジョシュア(英国)や元WBAスーパー・IBF世界スーパーバンタム級統一王者のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)など大物ファイターを顧客に持つ敏腕プロモーターは、「イノウエはどこかの時点でフェザー級に階級を上げるだろう」と指摘。 さらにWBA世界フェザー級王者に君臨する自身の“顧客”、レイモンド・フォード(米国)の名を出し、「(井上との試合は)フォードがスーパーフェザー級に階級を上げる前に行うフェザー級での最後の試合になるかもしれない。ビッグマネーのイベントになるのは明らかだ」と自信を漲らせた。 流石は敏腕プロモーターである。巨額のファイトマネーを生めるチャンスは見逃さない。ハーンCEOが、「イノウエ戦に」と指名したフォードは16戦15勝(8KO)1分のプロキャリアを誇る25歳の有望株だ。凄まじいスピードから放たれる左のストレートは、相当な威力を秘める。