【高校サッカー選手権】実力校同士の一戦は日大藤沢が1‐0で桐蔭学園に競り勝ち、準々決勝進出
10月20日、第103回全国高校サッカー選手権神奈川予選2次予選・3回戦の4試合が行われた。昨年度優勝し大会3連覇を目指す日大藤沢と高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2024 関東1部勢の桐蔭学園が対戦した。試合は日大藤沢が桐蔭学園を1‐0で退け、ベスト8に駒を進めた。 【フォトギャラリー】日大藤沢 vs 桐蔭学園 日大藤沢と桐蔭学園との一戦。昨年、選手権予選の決勝カードであり、今夏、開催された第12回和倉ユースサッカー大会 2024 決勝トーナメント決勝(8月12日)でも相まみえている。3回戦ではもったいない実力校同士の好ゲームとなった。 序盤から攻勢に出たのは日大藤沢。FW7宮澤朋哉(3年)、MF10布施克真(3年)を軸にカウンター、ロングボール、セットプレーと多彩な攻めを見せ、圧力をかけた。一方、桐蔭学園は日大藤沢の3トップを抑えながら、縦に速い攻めを狙ったが、押し込むまでにはいかなかった。前半のシュート数は日大藤沢の2本、桐蔭学園の1本と拮抗した展開となった。 後半、日大藤沢がチャンスを作る。13分にはカウンターからMF10布施が相手陣内深くまで持ち込むと、右サイドに駆け上がったFW7 宮澤へパス。フリーで受けたFW7宮澤が放ったシュートはゴール右に逸れ、枠外。さらに21分、ゴール前での浮き球を収めたFW9 伊東大輝(3年)がシュートを打ったが、これも枠外に。さらに攻める日大藤沢は27分、左サイドを突破したMF11岩内類(3年)がゴール中央へグラウンダーのクロス。これをMF6北浦悠月(3年)が決め、先制。終盤になり均衡が破れた。 追いつきたい桐蔭学園は敵陣内に攻め入るが、日大藤沢の守備を崩せず、そのまま試合終了。日大藤沢が好敵手・桐蔭学園から1‐0の完封勝利をあげた。 「(GKを)しっかり見ながら、ファーを狙いました」と殊勲のMF6北浦。接戦を制した要因を「(桐蔭学園の対策として)守備のかけ方を練習しました。実際、布陣を可変したり、バックラインを変えてきましたが(この変化に)焦って自分たちから前に出ると相手の狙いである背後を突かれてしまいます。そのためバックラインと中盤は出過ぎず、我慢するところは我慢しました」と動揺せず、コンパクトな布陣を維持できたことをあげた。 そのなか、ひと際、目立ったのが主将を務めるFW7宮澤。身長157センチと小柄ながら、重心の低い力強いドリブルと高いテクニックで翻弄。攻撃の起点となるキープレイヤーだが当然、桐蔭学園にとっては要注意選手のひとり。徹底したマークで攻勢を鈍らせる狙いだ。 「やりづらさはありました」と吐露しつつ、「相手がわかっても止められないサッカーを目指しています。今後、勝ち上がれば、勝ち上がるほど、相手は日藤(日大藤沢)のサッカーをやりづらくさせてきます。それでも止められない、そう思わせるサッカーをしたいです」と見定める視線はその先にある。 もちろん日大藤沢はFW7宮澤のワンマンチームではなく、多士済々の陣容を誇っているチーム。だからこそ、それでも止められないサッカーに近づける、その途上にある。 今回の大一番の会場はホーム・日大藤沢グラウンド。施設内はスクールカラーであるピンク一色に。選手には心強かったはずだ。「スタンドの応援があったので、自分たちを信じて戦うと決めていました(FW7宮澤)」。期待に応えた見事な80分間となった。 宿敵を破った日大藤沢は26日、レモンガススタジアム平塚で平塚学園と対戦する。 (文・写真=佐藤亮太)