40~50代よりも「若手」の昇給スピードが速い? 賃上げ時代に「中高年」が昇給できない残酷な理由
昇給に必要な原資は限られている
しかしながら、若手社員を従来以上のスピードで昇給させる場合、昇給に必要な資金を会社側は用意する必要があります。また、パートやアルバイトの賃金についても、最低賃金を下回る場合は時給を上げる必要があり、新入社員や若手社員の昇給だけでなく、パート・アルバイトの昇給用資金も必要です。 そうした結果、中高年世代の昇給に必要な資金が用意できず、結果的に中高年社員の昇給スピードは従来よりも低下する可能性が考えられます。昨今の賃上げ、2024年10月の最低賃金の大幅な上昇により、2025年も同様に若手社員やパート・アルバイトのみが昇給し、中高年世代は昇給しにくい事象が継続する可能性もあるでしょう。
まとめ
最低賃金の上昇や新入社員の人材確保のための初任給引き上げ、若手社員の転職防止のための昇給などにより、20~30代前半の賃金増加率が高くなる中、40代後半~50代前半の賃金増加率が低くなるという減少が起きています。 今後もこの流れが継続した場合、新入社員や若手社員、パート・アルバイトだけ昇給し、中高年社員はほとんど昇給しない(させられない)会社も増えてくると考えられます。昇給額が少ないことに不満を持つ場合は、年収アップできる転職や副業、資産運用などで補うことを考えてみてはいかがでしょうか。 出典 厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査速報 東京商工会議所 2024年新卒者の採用・選考活動動向に関する調査 産労総合研究所 2024年度 決定初任給調査 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部