ビットコインは本当に「上昇するだけ」か?──過去の半減期サイクルを振り返る
あなたがビットコイン(BTC)に夢中なことを知っている友人や家族から「今は買い時か?」とメールが来る時期がまたやってきた。 ビットコイン価格が再びピークに達したことを象徴する時期だ。 しかし実際には、もしあなたが今ビットコインを買おうと思っているなら、大量に買うには最適な時期ではないかもしれない。ビットコインの現物ETF(上場投資信託)がまもなく(早ければ1月に)承認されるかもしれないのだが。なぜか? まず、過去2回のビットコイン半減期までのビットコインの値動きを見てみよう。次回の半減期はブロック840000が採掘されるタイミング。4月下旬と予想されている。
過去のビットコイン半減期サイクルの傾向
ビットコインの半減期サイクルは約4年続く。各サイクルの開始時には、ビットコインマイナーが受け取るブロック報酬が半減し、ビットコインの供給ショックが引き起こされる。 歴史的にビットコイン価格は半減期後の1年半の間に劇的に上昇してきた。その後、価格は暴落し、サイクルの残りの2年半はレンジ内で取引される。 2013年後半から2回目の半減期が起きた2016年半ばまで、ビットコイン価格は1166ドルから156ドルまで下落した。 その後、それまでの史上最高値の67%にあたる780ドルまで反発し、2016年8月には40%安の472ドルまで下落した。 472ドルという価格は、2回目の半減期が起きてからわずか1カ月後の局所的な底値だった。 2017年後半から2018年後半にかけて、ビットコインの価格は1万9666ドルから3150ドルまで下落し、その後1万3882ドル(それまでの史上最高値の70%)まで反発した。2020年3月までに、価格は72%下落し3867ドルになった。 3867ドルは、2020年5月に発生した3回目のビットコイン半減期の2カ月前の局所的な底値となった。 そして再び、ビットコインの半減期に先立つ2年半の期間が終わろうとしている。この期間は2021年後半に始まり、4回目の半減期が予定されている2024年4月に終了する。 これまでのところ、ビットコイン価格は6万9000ドルから1万5522ドルまで下落した後、4万4759ドル(前回の史上最高値の65%)まで反発した。 今回の65%の反発は、過去2回のサイクルで見られた67%、70%の反発に極めて近い。 そうなると、次のような大きな疑問が浮かぶ。ビットコイン価格は、過去2回の半減期のように、次の半減期に向けて大きく下落するのだろうか? 仮にビットコイン価格が、2015年から2016年にかけてのように現在の水準から40%下落した場合、ビットコイン価格は2万6855ドルになる(当記事執筆時点では4万4000ドルに近づいている)。 もし2019年から2020年のように、ビットコインが72%下落するなら、1万2532ドルになる。 ビットコイン投資家が今体験している陶酔感を前に、このような数字に言及する人はほとんどいない。では、今回は違うのだろうか? ビットコイン現物ETFが承認された直後から、何十億ドルもの資金がビットコインに流れ込む? そうかもしれない。