女性社長はわずか0・8%、でも役員は急増中 あまりに極端なジェンダーギャップ、見えてきた企業の実情
▽柔軟な働き方の実現を 女性人材紹介サービスのワリス(東京)の田中美和代表は、企業活動の分野でジェンダー平等を実現していくためには、まず柔軟な働き方を実現することが大事だとの見方を示す。 田中さんによると、女性役員や管理職を増やすために必要なことを役員経験のある女性たちに尋ねたところ「柔軟な働き方の実現」が最上位だった。田中さんは「多くの家庭で女性が子育てや介護を担う状態が続いている」と現状を説明する。その上で「リモートワークやフレックスタイムといった柔軟な働き方ができなければ、女性が私生活を大切にしながら仕事で成長していくのは難しい」と指摘する。 田中さんは「無意識の偏見や思い込みで、経営の中枢につながる部署に女性が配属されにくい傾向がある」と述べ、社内でキャリアを積む機会に男女差があると問題視する。多くの企業が人手不足に悩む中、性別や国籍、年代を問わずに活躍できることが会社の魅力になるとみる。田中さんは「多様性が採用においても強みになる時代になっている」と強調した。