「鳥取県なんか人口、何人おんねんっちゅう話でしょ?」“鳥取県ディスり”で炎上した百田尚樹氏、本人・鳥取県ともに意外とダメージが少ないワケ
もっとも、こうした失言をしてしまうのは、百田氏だけではない。 9月12日、ジャーナリストの青木理氏がYouTubeの番組で、ジャーナリストの津田大介氏から「人々はなぜ自民党に投票し続けるのか」と聞かれ、「劣等民族だから」と答えて、批判を浴びた。 青木氏は後に謝罪をしたが、自民党に投票した人たちのみならず、多くの人たちから反発を買う、不適切な発言だったと思う。 米大統領候補のトランプ氏も、テレビ討論会でハイチ系移民について「彼らは犬を食べている。猫も食べている。住民のペットを食べている」と発言して激しい批判を浴びた。
ある集団を十把一絡げにして根拠のない理由で叩くことは、何の利益ももたらさないことは肝に銘じておきたい。 ■謝罪の内容にも問題があったが… さらに百田氏は謝罪をしてはいるが、誠実な対応だったとは思えない。失言をした場合、後で取り消したところで、完全に収まるわけではない。多くの人は、「謝罪はしたけど、本音では悪かったと思っていないだろう」と考える。 謝罪をするなら、誠実かつ丁寧に行うことが重要だ。 百田氏は、X上で謝罪文を投稿するにとどまっているうえに、謝罪文の最後に「けど、 皆さんの選んだ石破茂は嫌いです」という余計な一言をつけてしまっている。
このような行為は、「火に油を注いでいる」とまでは言えないまでも、「焼け石に水」の行為であったと思う。謝罪するのであれば、余計なことは言わず、謝罪だけすればよかった。石破氏への批判がしたければ、時間を置いて、投稿を分けてすればよいまでのことだ。 さらに、9月30日時点で、百田氏が当該の発言を行った動画は削除されていない。 反省し、謝罪するのであれば、動画は削除するか、当該発言部分をカットして再アップすべきだし、動画で失言したのであれば、謝罪は動画でも行うべきだろう。
百田氏の言動に関するトラブルは、これまでも起きている。記憶に新しいところでは、大阪・泉南市議会議員の添田詩織氏が、百田氏からDM(ダイレクトメッセージ)でデートの誘いを受けたが、断ったらネットリンチを受けた――という報道が、今年2月にスポニチから出された。 この報道の事実関係について、当初は、百田氏は否定をしていたが、途中で一転して謝罪するに至った。しかし、それでは収まらず、添田氏がDMの内容を公開、百田氏の支持者が添田氏を攻撃するなどして、事態は余計に悪化するに至った。