学力が高い子の家庭に見られる8つの特徴とは? 調査からわかったことを専門家が解説
とくに強調したいのは3番目の「親子で絵本、本、新聞に親しんでいる」で、家の蔵書数が多く、親が読書好きの家庭で育った子どもは学力が高い傾向にあるということです。このような家庭では、子どもが小さいころから親が絵本の読み聞かせをしていて、子どもは自然と読書好きになるケースが多く、文章から知識を吸収し、理解する力が育まれやすいため、学力に良い影響を与えていると考えられますね。 ■活字に触れて「読んで理解する経験」が大事 ――「読書する環境があるかどうか」がポイントなのですね。本を読むのではなく、タブレットやパソコンを使って動画で学ぶのではダメなのでしょうか? 最近は子どもの学習に役立つ動画がたくさん出回っています。映像と音声による学習がよくないということはありません。しかし「言葉の力」をしっかり身につけるには、活字に触れて「読んで理解する経験」の積み重ねがどうしても必要になってきます。教科書もテストも活字が使われていますし、テストの答えを書くのも、リポートを書くのも言葉の力が必要ですよね。すべての学びの土台になります。 そして本を読む習慣のきっかけは、幼児期の親の読み聞かせが強く関係していると考えられています。子どもの言語がぐんと発達するこの時期に、絵本を読んでもらいながら活字に触れ、ストーリーの豊かな情緒を親といっしょに味わうという経験は、言葉の力の土台づくりの第一歩といえるでしょうね。 ――では、親がこのような心がけ、習慣づけをすれば子どもの学力は伸びていくと考えてもいいのでしょうか? この調査の結果、実際に学力の高い子どもとその家庭で見られる親の働きかけに相関関係があることがわかりました。親は1)~8)のような環境を作っていくことで、子どもの学力を高められる可能性はあるでしょう。 ただ、「図書館によく連れていったから、子どもの学力が上がった」という「因果関係」が実証されたということではありません。「学力が高い子どもだから、図書館に行くのが好き」という逆の可能性も考えられるのです。