英国の英雄ヘンマン氏もジョコビッチとマリーのタッグに注目「ボックス席に向かって叫ぶところも見てみたい」とジョークも＜SMASH＞
今夏のパリ五輪で現役生活に幕を閉じた男子テニス元世界ランク１位のアンディ・マリー氏（イギリス）が、四大大会史上最多タイの24勝を誇る盟友ノバク・ジョコビッチ（セルビア／元１位／現７位）のコーチに就任したニュースはテニス界に驚きをもたらした。“ビッグ４”としてテニス界を牽引してきた２人のレジェンドがどのようなケミストリーを生み出すのか、多くのファンが楽しみにしていることだろう。 【画像】ジョコビッチはじめ、パリオリンピック・テニス競技のメダリストたち 今のオフシーズンから仕事を始めるジョコビッチとマリー氏は、2025年の開幕戦「ブリスベン国際」（12月31日～１月７日／オーストラリア・ブリスベン／ハード／ATP250）で新チームでの初陣を飾る予定。現時点ではその直後に開かれる四大大会「全豪オープン」（１月12日～26日／オーストラリア・メルボルン／ハード）までを契約期間と定めており、以降の契約を延長するかどうかはジョコビッチの意向次第となるようだ。 欧米スポーツメディア『Eurosports』によると、イギリステニス界のレジェンドであるティム・ヘンマン氏（元４位／50歳）も今回の最強タッグに注目している様子だ。中でも感情表現豊かなジョコビッチが試合で苦しい場面に直面した時に、メンター（助言者）的役割を担うであろうマリー氏がどう効果を発揮するのかが見ものだとヘンマン氏はジョークを交えて語る。 「本当に興味深いね。例えばジョコビッチが序盤の試合で少々苦戦する姿や、緊張を感じながらちょっとした逆境に立たされるところを見てみたい。できればボックス席に向かって叫んだりするところも見てみたいと思う。なぜならそれを受けてマリーがどう対処するかがわかるからだ。そういうシーンは見ていて楽しいだろうね」 強さだけではなくユーモアあふれる人柄でも人気を博したマリー氏は、引退後はどちらかと言えば指導者よりも、試合の解説者をはじめとしたメディアでの仕事に従事すると思われていた節があった。だがヘンマン氏はマリー氏がジョコビッチのコーチに就任したことを知った時も特に驚かなかったという。 「僕自身は彼（マリー氏）がコーチになるだろうと常に思っていた。こんなに早くそれが実現するとは思ってなかったけどね。おそらくテニスの歴史の中で最も偉大な選手の１人と仕事ができるチャンスを得られるなら、それを断るのは難しいと思ったのかもしれない」 そして最後はジョコビッチとマリー氏への期待を込めてこう締めくくった。「オフシーズンのスペインでの練習や、その後の全豪オープンで２人の関係がどのように発展するのか、とても興味深い。これがまた2025年の全豪オープンをさらに盛り上げる素晴らしいストーリーの１つになると思う」 ほぼ全ての功績を手中に収めたジョコビッチがモチベーションを保つうえでも、戦友であるマリー氏の存在は大きいだろう。可能なら全豪以降も２人の協力関係が続いてほしいものだ。 文●中村光佑
