「他の県よりも半年遅れくらいで動いている」住民が待ち望む『液状化対策』に専門家は新潟市の“調査遅れ”を指摘
新潟放送
2024年元日に起きた『能登半島地震』に伴い、新潟市で発生した“液状化現象”への対策について、地震から10か月が経過するなかで、新潟市の対応の遅れを指摘する声が上がっています。 【写真を見る】「他の県よりも半年遅れくらいで動いている」住民が待ち望む『液状化対策』に専門家は新潟市の“調査遅れ”を指摘 新潟市江南区の天野地区で、地層を採取するボーリング調査が11月5日に行われました。地盤の強度を測る調査と並行して今後の液状化対策に役立てようと、新潟大学が独自で実施したものです。 液状化現象などにより江南区では1500棟以上が被害を受け、地震から10か月が経った今でもその爪痕が残っています。 この日は、深さ5mほどまで掘り進めて“地層”を調査。 新潟大学災害・復興科学研究所の卜部厚志教授の見立てでは、地下1~3.5mまでの間に、液状化したとみられる“痕跡”が断続して見つかりました。 「この辺が液状化をしている可能性があって、あとはここ何か混ざっているので、あとはこの辺がモヤモヤとしているので、この辺と…」 江南区より被害の大きかった新潟市西区では、このような痕跡が連続して見られ、卜部教授は「この違いが被害規模の差になった可能性がある」と指摘しました。 新潟大学災害・復興科学研究所 卜部厚志教授の行う調査の様子を、地域住民が見守っていました。 【天野中前川原自治会 増田進 会長】 「人間って、“何かわからない”のが一番不安なので…」 「“被害があった”ということは現実ですので、その原因が何かっていうのがわかると、それによって一歩前に進めるかなって」 地元の新潟市立曽野木小学校の4年生たちも見学しました。 「深くなると、色がどんどん変わっていってるから、それは初めて見た」 「もうちょっとそういうこと(液状化現象)を学んで、よく分かりたい」 【天野中前川原自治会 増田進 会長】 「液状化現象で、『この地区はこうなんだね』『でも、おじいちゃんおばあちゃん、お父さんお母さんが頑張ってくれて、安全安心な地域にしたんだよね』ということを、子どもたちに残したい」