外来種・セグロウリミバエ、沖縄本島中部で初確認 県、2025年6月に不妊虫放出へ ゴーヤーの家庭栽培自粛求め
ウリ科植物などに寄生して被害をもたらす外来種のセグロウリミバエについて、沖縄本島内での確認が広がっているとして、県は防除に向けて不妊虫を放つことを決めた。最短で来年6月の実施を目指す。同種はこれまで本部半島周辺のみで確認されていたが、10月に大宜味村、東村、11月にはうるま市、恩納村、国頭村で新たにトラップ(わな)から見つかった。 ミカンコミバエ急増 21年度は根絶後、捕獲最多に
セグロウリミバエが中部地域で見つかったのは初めて。2日に記者発表した県はさらなる広がりを懸念し「さらに警戒度を高めている」として、確認された地域ではヘチマやゴーヤー、トウガンなどウリ科の植物を一般家庭で栽培することは控えるよう促す。 県病害虫防除技術センターによると、3月に名護市でわなにかかった成虫が見つかった。県内での確認は21年ぶり。その後、伊是名村、今帰仁村、本部町と確認が広がっていた。県内ではウリミバエ、ミカンコミバエの根絶に不妊虫が用いられてきた。 (新垣若菜) 【用語】 不妊虫を用いた駆除 放射線を照射して不妊化した虫を放つこと(放飼)で、生まれる次世代を減らし、地域での病害虫の根絶に導く。県内ではウリミバエの根絶事業が1972年に始まり、不妊虫放飼を用いて、93年に根絶を宣言した。ウリミバエは現在も侵入を防止するため不妊虫を大量に増殖させ、定期的に4600万~7200万匹を県内全域に放飼している。
The Ryukyu Shimpo Co., Ltd