地中海式ダイエットがストレスを軽減? 専門家が解説【海外研究結果】
※この記事は、海外のサイト『Prevention』で掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。 専門家らは、ストレスを軽減するために瞑想、呼吸法、ヨガなど、さまざまな治療方法を提案している。そして今、ストレス軽減の秘訣が食生活にある可能性が最新の研究で明らかになった。具体的に言うと、地中海式ダイエットだ。 科学誌『ニュートリション・アンド・ヘルス』に掲載された研究は、一般的な西洋式の食事(高度に加工された食品、赤身肉、高GI食品と関係性が高い)と比較して、地中海式ダイエットがストレスレベルにどのような影響を与えるかを調査。研究者らは1,500人以上の参加者を調べ、どのような種類の食品を食べているか質問し、彼らの知覚されたストレスレベルを評価した。 知覚されたストレスとは、自らのストレスとストレスに対応する自信を本人がどれだけ理解または解釈しているかです、と話すのは、臨床栄養学士と登録栄養士の有資格者で「アカデミー・オブ・ニュートリション・アンド・ダイエティクス」の広報担当および『プリベンション』の医療審査委員を務めるメリッサ・プレストさん。 食べ物が気分にどのような影響を与えるかを評価するために、研究者らはケスラーの心理的苦痛尺度(うつ病の評価に使用される)を含むいくつかのアンケートと科学的に承認された尺度を使用。その結果、全粒穀物、魚介類、果物、野菜、豆のような地中海式ダイエットの構成食品を摂取すると、知覚されたストレスや精神的苦痛のレベルが低くなるのに対し、西洋式の食事の構成食品を摂取すると知覚されたストレスや精神的苦痛のレベルが高くなることが判明した。
地中海式ダイエットは、果物、野菜、全粒穀物、豆類、ナッツ類、シード類、オリーブオイルを含むプラントベース食品を推奨する食事法です、と話すのは『ザ・スモール・チェンジ・ダイエット』の著者で、登録栄養士のケリー・ガンズさん。この食事法には、魚介類、乳製品、少量の赤身肉も含まれます、と彼女は補足する。 では、地中海式ダイエットはストレスレベルにどのように影響を与えるの? 炎症、ホルモン、神経伝達物質はいずれも気分に影響を与え、これらは腸脳相関を介して食事や腸の健康から直接影響を受ける。たとえば、特定の腸内細菌は、気分の調整や脳活動の調子を整えるうえで重要な役割を果たすセロトニンを検知し、その生成を増加させるという。 さらに、地中海地域の食生活にはフラボノイドとポリフェノールが豊富に含まれます、と話すプレストさん。「研究によると、フラボノイドはコルチゾール(体内のストレスホルモン)の生成に必要な特定の酵素を抑制し、コルチゾールのレベルを下げる可能性が示唆されています」