【ジロ・デ・イタリア2024 レースレポート:第3ステージ】ティム・メルリールが亡きウェイラントに捧ぐジロ通算2勝目 ウルフパックとしても記念すべきジロ30勝目
そんなエモーショナルな勝利だけど、メルリールに言わせれば「今まで勝ってきた中で1,2を争うくらい苦しいレースだった」という。
「最後の上りで(集団内の)ポジションを下げてしまい、それを戻すのに必死だった。だから、ポガチャルとトーマスの動きは見えていなかったんだ。誰かが前に行ったことだけは把握できていて、とりあえず追いかけなきゃという思いだけだった。今日のレース途中でスプリンターたちが逃げるような形になったけど、それをポガチャルたちが怒っていたのかもね…これからは彼らを怒らせないように気を付けなきゃね(笑)」(メルリール)
何にせよ、ジロ通算2勝目である。昨年は出場がかなわなかったグランツールへの復帰をみずから祝う価値ある1勝。「スプリント以外にも僕にできる仕事はあるはずだ」とグランツールのメンバー入りを熱望していた男は、自分のスピードでもってその力を証明するとともに、ウルフパックに記念すべきジロ30勝目をもたらしている。
メルリールが言うように怒っていたのかは定かではないけれど、このステージもポガチャルは攻撃的な姿勢を崩さなかった。逃げ切りはならなかったものの、2位トーマスとの総合タイム差を46秒に広げることには成功している。
「今日はスプリンターズデーだったからね。でもトライして良かったと思っている」(ポガチャル)
トライして良かった…それはトーマスも同感だったよう。
「自分の走りには満足しているよ。最後の上りでは明らかにプロトン全体が疲れていた。タデイの動きに乗るべきだと直感が働いたね。やってみて良かったよ」(ゲラント・トーマス)
続く第4ステージも平坦にカテゴライズ。再びスプリンターが主役になるものとみられるが、フィニッシュ前3kmの小さな丘に“魔物”が潜んでいるかもしれない。第3ステージの展開を受けて、さすがにスプリンターチームも対策するだろうけれど…ポガチャルとトーマスの“本気具合”には誰もが戦々恐々としているに違いない。 文:福光 俊介
福光 俊介
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