【ジロ・デ・イタリア2024 レースレポート:第3ステージ】ティム・メルリールが亡きウェイラントに捧ぐジロ通算2勝目 ウルフパックとしても記念すべきジロ30勝目
78.8km地点に設定された第1中間スプリントが近づくと、リラックスムードのプロトンが少しずつ締まりを見せ始める。アルペシン・ドゥクーニンクやチューダープロサイクリング、アンテルマルシェ・ワンティなどが隊列を組んで先頭付近を固める中、ジョナサン・ミラン(リドル・トレック)が先に仕掛けたエドワルト・プランカールト(アルペシン・ドゥクーニンク)をパスして1位通過。
前線のスプリンターたちがスピードを緩めたタイミングを利用して、フィリッポ・フィオレッリ(VFグループ・バルディアーニCSF・ファイザネ)が飛び出した。マリア・チクラミーノのアクションには、脚を止めていたスプリンター陣も一斉に反応し、気が付くとメイン集団に対して1分30秒近いタイム差。中間スプリントを前に自然発生した中切れも彼らの動きを誘発する一因となった。そのまま97.1km地点のインテルジロへと突き進む流れになって、再びミランが1位通過に成功している。
メイン集団はいささかパニック気味になっていた。先頭にメンバーを送り込んでいないポルティ・コメタやモビスター大急ぎでタイム差を縮めにかかると、強い風も作用してあちらこちらで分断が発生。マリア・ローザを着るタデイ・ポガチャルは好位置をキープするが、マリア・ビアンカのキアン・アイデブルックス(ヴィスマ・リースアバイク)は反応が遅れて後方に取り残されてしまう。
結果的に30kmほど進んだ先で後ろの選手たちは前線復帰を果たし、タイミングをほとんど同じくして先頭を走っていた選手たちも集団へと戻された。ただ、こうした流れがレース序盤のゆったりムードを忘れさせ、この先に待つ思いがけない展開の伏線となったのだった。
フィニッシュまで30km以上を残しながら各チームが隊列を組み始めたのは、スプリントを狙うチームの強い意志の表れ。143.9km地点の第2中間スプリントに向けては、ポガチャルも前へと上がってきてボーナスタイム獲得を狙う。ベン・スウィフト(イネオス・グレナディアーズ)に1位通過は阻止されたが、2番手は押さえて2秒ボーナスをゲット。この先マリア・ローザを争うことになるであろうゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ)は3位通過で1秒ボーナスを手にしている。 「中間スプリントでは何もしないつもりだった。でも、イネオス・グレナディアーズがペースを上げて、ボーナスタイムを狙う姿勢を見せていたので対応するほかなかった。彼らの動きは常にチェックしていないといけないからね。トーマスに対しては1秒でも多くリードして、レースを有利にしておきたいしね」(タデイ・ポガチャル)
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