石川遼はプレーオフ惜敗。大逆転優勝逃すも全米オープンに手応え! 43歳の岩田寛がメジャー初優勝を飾る
男子ツアーの今季国内メジャー初戦「BMW 日本ツアー選手権 森ビルカップ」(宍戸ヒルズCC)最終日、首位タイスタートの岩田寛が13アンダーで並んだ石川遼とのプレーオフを1ホール目で制し、通算6勝目にして初のメジャータイトルを手にした。正規の18ホールはスーパーショット連発で5打差を巻き返す石川劇場が展開されたが、プレーオフで1.5メートルのパーパットを沈めた43歳が最後に主役の座を取り戻した。
惜敗の石川遼はスーパーショット連発で「63」の大爆発
6番パー5でチップインイーグルを奪った石川が最終18番パー4で再びギャラリーを沸かせた。フェアウェイ左サイドのバンカーからの2打目はカップをかすめて、奥10センチのスーパーショット。この日8つ目のバーディで「63」とスコアを伸ばし、この時点で首位と2打差の2位タイでのホールアウトとなった。
今大会は過去10度の出場で5度の予選落ち。ツアーでも一番の苦手コースを攻略した石川は 「今日は4日間で一番堅くプレーしてこのスコア。チップインやロングパットが入ったところがなくても4アンダーぐらいなので収穫があります」。 今季は技術面以上にメンタルや状況判断、ゲーム運びを意識。立ちにくいホールはなぜ立ちにくいと感じるのか、ひとつひとつを分析した結果として出た好スコアとあって手ごたえを口にした。
優勝の岩田寛はメジャータイトルへの思いが強かった
一方、首位を走っていた岩田は18番の大歓声を14番で聞いていた。 「遼がバーディなんだとわかって、負けたらどうしようと思ってました。遼のキャディが来週はボクのキャディなんで気まずいし、遼が勝ってごめんねって言われても腹が立つし(笑)」 歓声を聞いた14番と最難関の17番をボギーとして追いつかれる展開。プレーオフ前には来週の相棒に「恨みっこなしね」と声を掛けた。 メジャーで勝ちたい。今季は初めてそんな思いを持ってシーズンに入った。 「以前は勝った試合がたまたまメジャーだったらいいなというぐらいだったんですけど、正月に谷口(徹)さんから“今年はメジャーに勝てよ”とメッセージをもらって、それで意識が変わりました」 今大会の2日目に再び谷口から「ナイスプレー」とメッセージが来るまで、そのことは忘れていたが、タイトルへの思いが最後の最後で勝利を手繰り寄せる力になった。