中学受験で選ばれる早稲田アカデミー(小学生向け)が面倒見がよいといわれる理由は? 授業や講師の特徴などから検証
全員に目を配りきれる規模の校舎・クラスで、きめ細やかに対応
宿題チェックは塾側がすべて行う。宿題をしてこない場合、時には居残りをさせることもある。 「宿題をやってこない理由はさまざまです。単にやってこないだけなのか、それともやろうとしたけれど問題が解けなかったのか。そういった事情も把握し、ケースバイケースで対応します」(丸谷さん) 家庭で学習しやすいもの、例えば日々の計算や漢字、理科や社会の知識を覚えることなどを中心に宿題として出し、算数で解法が必要なものや国語の読解などは塾で学習するという流れだ。 校舎数が多いため、ひとつの校舎に何百人もの生徒がいるわけではないから、校舎長や講師が生徒たちの状況を把握しやすい。そのため、きめ細かい学習指導や受験指導ができる。 「算数が得意で国語が苦手な生徒がいると、その生徒は苦手科目を克服するために国語の勉強に時間を割きますが、算数をより伸ばすほうがいい時もあります。そのような場合は、適宜アドバイスしていきます」(丸谷さん) クラス分けも単純に点数だけでは分けず、その時の生徒たちの現状を考慮し、人数を調整することもある。例えば、ベーシッククラスを手厚くしたほうがいいと判断すれば、少人数にするなどだ。1クラスの平均は約13人で、講師が全員に目を配ることができる。 また、小学4年と5年は、隔週土曜日に学習の内容を振り返る「カリキュラムテスト」、小学6年は毎週土曜日に一週間の学習を復習する「土曜YT講座」(週テスト)が行われ、定期的に学習の定着状況を把握することができる。
オンラインでも中学受験に向けた授業を受けることができる
コロナ禍で、いち早くオンライン授業を導入したのが早稲田アカデミーである。現在も、校舎での「対面授業」かオンラインの「双方向Web授業」が選択できる。また「早稲アカDUAL」というシステムもあり、体調が優れない時などにはZoomを利用して自宅から授業に参加できる。 もうひとつ、「オンデマンド授業映像」もある。こちらは録画された授業動画で、自分が見たい科目・単元の授業をいつでも何度でも視聴できる。重要なポイントがコンパクトにまとめられている。
中学受験において、早稲田アカデミーに合う生徒・合わない生徒
面倒見のよさで定評がある塾だ。学習面に関しては塾がすべて面倒を見る。何かあれば、講師が保護者に電話をする。 塾から保護者への連絡は、メールではなく電話で行う。受験の直前には、校舎長から手書きの激励の手紙が送られてくる。 オンライン授業の充実など最新のデジタル技術を駆使する一方で、アナログなコミュニケーションを大切にするのが早稲田アカデミーだ。それに対して安心感を持つ保護者もいれば、苦手だと感じる保護者もいるだろう。 また、子どもの学習管理を全部自分でやりたいと思う保護者は、面倒見がいい塾と相性がよくないこともあるだろう。
杉浦由美子