「ガラケー必要ない」とSB社長。「ガラケー」「ガラホ」どう違う?
このように対応サービスやスペックを見てみると、ガラケー向けサイトやアプリが使えない点や、自由にアプリの追加インストールができない点、キャリアがスマホ向けに提供するコンテンツサービスもほとんどが利用できない点、ドコモ端末ではおサイフケータイの移行ができない点などを踏まえると、ガラホはガラケーともスマホとも違う独特なポジションの端末であることがわかります。折り畳み式端末に愛着のあるユーザーや、携帯電話は通話とメールで十分だという人には十分ニーズに応えるものですが、具体的にやりたいことがある場合には、ガラホがそのニーズに応えてくれるかを機種変更前に十分確認する必要があると言えるでしょう。
宮内社長の大胆発言が話題のソフトバンクはどうする?
これまではガラホの新機種を発表したドコモとKDDI(au)を中心に紹介してきましたが、一方でソフトバンクはどのような動きなのでしょうか? ソフトバンクは「COLOR LIFE 5 WATERPROOF」と「かんたん携帯8」という2機種のフィーチャーフォンを新機種として発表していますが、この2機種はAndroidを搭載したガラホではなく、従来のガラケー端末です。Android搭載フィーチャーフォンの投入については、今のところ動きはありません。それだけでなく、ソフトバンクの宮内社長は5月18日の発表会において、「スマホは要らないというユーザーを今後も大切にしていきたい」としながらも、フィーチャーフォンの将来について「(ガラケーの新機種は)出してはいくが、宣伝していきたいとは思っていない。ガラケーは最終的に必要ないと考えている」と大胆な発言しています。 確かに、総務省の情報通信白書(25年度版)によると、携帯電話・PHSの保有者に占めるスマートフォンの割合は、iPhone4が発売された2010年(平成22年)には9.7%だったものが、iPhone5が発売された2012年(平成24年)には49.5%と半数近くにまで増加しており、ユーザーのスマートフォンへの移行は順調に推移している模様です。しかし一方で、MM総研が5月14日に発表した2014年の携帯電話端末出荷台数調査では、フィーチャーフォンの出荷台数が7年ぶりに対前年比でプラスになり、今後も出荷台数見込は横ばいという予想をしています。ドコモ広報部もフィーチャーフォンの動向について、「契約者数の約半数弱はフィーチャーフォン。ユーザーのニーズがある限りは端末を提供し続けたい」とコメントしており、フィーチャーフォンが携帯電話業界から消える予感はあまり感じられません。 宮内社長の発言は、スマートフォンを中心としたビジネスモデルにサービスやネットワークなどの経営資源を集約していきたいという携帯キャリアの“ホンネ”なのかもしれません。しかし、実際のところは“スマホ派”、“ガラケー派”と2極化する顧客ニーズを見極めた戦略が求められることになるでしょう。 (執筆:井口裕右/オフィス ライトフォーワン)