混乱続く中央アフリカ共和国 国際的援助を呼びかけ
国連安全保障理事会が、アフリカ連合(AU)とフランス軍の部隊展開を認める決議を全会一致で採択。イギリス空軍も軍事介入をしたフランス軍を支援するため派兵をしています。国際的な人道援助団体「国境なき医師団(MSF)」は、「大規模な人道危機が悪化し続けている」として、国連やほかの人道援助機関などに対し、危機への対応を拡大するように呼びかけています。
アフリカ大陸のほぼ中央にあるこの国は、数十年にわたって政争や紛争にさいなまれ続け、慢性的な人道、医療危機の状態に陥ってきました。同国で起きている危機に対して、国際社会の関心は低く「忘れられた人道危機」と言われることもあります。2013年3月に起きた反政府武装勢力「セレカ」によるクーデターで状況はさらに悪化しました。 国境なき医師団によると、10月に入って、北西部のウハム州ブーカ、ナナ・マンベレ州ガルガ、南西部のロバイエ州ムバイキで暴力行為と激しい武力衝突が起きており、「国民のおよそ10人に1人が家を追われている」状態にあります。 避難民は「教会、モスク、学校、場合によっては医療も食糧も水もないまま森の中に過密状態で暮らし、病気に対し脆弱」(国境なき医師団の同国活動責任者)で、ブーカの隣町ボサンゴアには約3万5000人が避難。11月中旬から移動診療を開始して森の中に隠れている人びとの援助にあたっています。同医師団は目撃証言を集める一方、自身も保健職員1人の殺害と、人道援助スタッフに対する暴力行為を複数目撃したとしています。 紛争の影響を受けた地域で活動する援助団体は少なく、国境なき医師団は、外科などの医療、給排水・衛生活動、栄養補助を提供。「援助の大幅な拡大が急務」と話しています。