小池都知事が導入方針の「週休3日」は実際どうなの? 多忙な飲食業界での“パイオニア”に聞いた
週休3日制のメリット・デメリット
多忙なイメージのある飲食業界での週休3日制についてSchooエバンジェリスト滝川麻衣子氏は「実は日本では『週休2日さえもまだ半分ぐらいしか浸透してない』というデータもあり、特に飲食業界は進んでいない」としつつ、「(だからこそ)スター食堂の週休3日制は採用力強化や離職防止にもつながるだろう」と述べた。 さらに東京都庁における週休3日制導入については「そもそも、2030年の時点での日本の人手不足がより顕在化すると言われているため、まずは抜本的に生産性を上げる必要がある」としつつ、「運送や介護医療などのエッセンシャルワーカーの人たちではなくオフィスワーカーを前提にしているのでは」と疑問を呈した。 株式会社キュービック(ミライトーチ調べ)によると週休3日のメリットとして「プライベートに使える時間が増えた」「心身ともにストレスが減った」などが挙げられているという。 これに対し滝川氏は「ストレスの軽減は一番大きな要素だ。また、週末になかなかできない行政手続きを行なったり、リスキリングによる“未来への投資”もできる」と補足した。 同調査によると、週休3日制を実施する上での課題としては「出勤日の仕事が詰まってしまって余裕がなくなった」「給料が減った」「残業が増えた」などが挙げられている。 滝川氏は「人手不足の問題はもちろんあるが、加えて『属人化問題』もある。つまり、“優秀なAさん”がいなければ仕事が進められない、という問題だ。だが、そもそも自分の仕事を手放さないAさんは優秀ではない。本来であれば、みんなが見える場所にデータを共有し、マニュアルを作り『自分がいなくても回せる人』こそが優秀なのだ。そしてそんなルール作りは管理職の仕事だ」と述べた。 さらに、働きやすくなった職場では“ある問題”も起きている。 滝川氏によると、今「会社が“ホワイト過ぎ”て働きがいも成長実感も得られない」と、会社では体力を“温存”しながら給料を確保しつつ、定時で上がった後に副業に全力を注ぐ若者も増えているという。 週休3日になったことでの収入の変化に関する調査では、「副業など社外の収入によって上がった」と答えた人たちも一定数いる。
どうすれば社員は“100の力”を仕事に向ける?
経営者側からすると頭を抱えてしまいそうだが、どうすれば社員は全てのエネルギーを仕事に向けてくれるのだろうか? 滝川氏は「本業にやりがい・成長実感を持たせられるような仕組み作り、そして先輩・上司の育成が求められる」と指摘した。 (『ABEMAヒルズ』より)
ABEMA TIMES編集部