【東京】建築にも注目したい!高架下スペースを活用したお洒落スポット3選
今回は年々数を増やす「高架下」スペースの有効活用。その街らしさや魅力を発信したり、利用者の繋がりを新たに生んだりと、高架下のスペース自体が新しい目的地になるような事例を6件ご紹介します。 いつもの駅から少し前の駅で降りてみて、高架下を楽しみながら歩いてみるのもおすすめです。 【写真集・東京】 建築にも注目したい!高架下スペースを活用したスポット
1. PLAY!高架下〈武田清明〉/練馬区
2024年7月、石神井公園駅~大泉学園駅間の高架下に整備された「PLAY!高架下ひろば」は、地域の人にとって憩いの場となったり、多様な活動ができる自由さを持ったスペースです。元々は「PLAY!高架下」と称したイベントプロジェクトとして一部スペースを開放していましたが、好評を得られたため常設のスペースとして新たに整備され誕生しました。 設計を手掛けたのは、建築家の武田清明さん。高架下が生み出す独特な空間を、「植物が生きるのに最適な環境のなのかもしれない」と考え、人々の暮らしのなかで身近に感じられる自然をつくることを目指しました。 広場で育つ植物は鉄道高架橋で集水した雨水が活用されており、ポンプを使って誰もが水やりを体験できます。植栽エリアでは、緑をテーマにした取り組み「PLAY! GREEN」を開催。住民と触れ合い、見守る仕組みづくりがはじめられています。 また、広場に点在するベンチには2020年に閉園した「としまえん」の伐採木を使用し、べルーナドーム(西武ドーム)で使われていた廃棄予定の人工芝もアップサイクルして活用されており、コンセプトの1つである“マテリアルを循環”を実現しています。 日常的に通いたい広場でありながら、時に非日常を感じられるようなイベントも開催。オープン記念イベントでは、マルシェやコーヒースタンドといった屋台のほか、ライブや子供も楽しめる工作ワークショップなど多種多様なブースが並びました。
2. ミカン下北〈山下泰樹〉/世田谷区
下北沢駅を中心に大規模な開発が行われ、「reload」「ADRIFT」「シモキタ-エキマエ-シネマ K2」など新しいスポットが続々とオープンしている下北沢。2022年3月には、京王井の頭線高架下のスペースに「ミカン下北」が開業しました。 コンセプトは“ようこそ。遊ぶと働くの未完地帯へ”。多様な文化が交差し、常に変わり続ける(=常に未完である)ことに下北沢の魅力を見出し、未完だからこそ生まれる新たな実験や挑戦を促す場所を目指して「ミカン下北」と名付けられました。 本施設は、A・B・C・D・Eに分けられた5街区から構成されています。A街区には下北沢初出店となるSHARE LOUNGE併設の「TSUTAYA BOOKSTORE 下北沢」や個性豊かな飲食店、B街区にニューヨーク発祥のカフェ「BROOKLYN ROASTING COMPANY SHIMOKITAZAWA」やスタートアップ企業を中心としたオフィスを、E街区には世田谷区と連携した図書館カウンターなどが入居。「遊ぶ」と「働く」が入り混じる、新しい下北沢のかたちを発信します。 建築デザイン、インテリアデザイン、コンセプトワークを手掛けたのは、DRAFTの山下泰樹さん。「未完成=進化の途中」を象徴するように、建築的な仕上げは最小限に。B・D・E街区にはコンテナを連続させ、下北沢らしい独特の起伏と表情をデザインに落とし込んでいます。また、構造躯体と分けて設計された内装は、多種多様なショップの個性を反映させ、にぎわいが感じられる空間が広がります。