小児がんで失明した娘は4歳 「ショックすぎて眠れなかった」母は闘病生活を絵本に残す…娘へ『お母さんの宝物だよ。本当に大好きだよ』
【母・絢子さん】「全盲とかになって光を失って生きていって、幸せになれるんかな、みたいな。ショックすぎて、夜だいぶ眠れない日は続きました。何していても涙が出てくるし。本人はすやすや寝るんですけど。本当にこんなになるまで気づかなくてごめんね、という気持ちがありました。ごめんね、ごめんねって寝顔を見て言っていたような記憶があります。思い出したら泣けます」 入院していることでおばあちゃんに会えないのが寂しいと、病室で泣く佳純ちゃんに…。 【小原佳純ちゃん】「ミーハ(おばあちゃん)と会いたいの。寂しい」 【母・絢子さん】「そっか…大丈夫よ、また会えるから、すぐに」
■闘病生活を絵本の物語に
2023年8月。神戸市にあるカフェに家族で訪れました。 【佳純ちゃんの祖母】「ここにほら、飲み物来たよ。ここ、ストローね」 過酷な娘の現実を思い、絶望の淵に立っていた母・絢子さんの支えになったものがあります。 【母・絢子さん】「この絵は佳純の病気が分かった時に、自分のために描いたというか、これ佳純なんですけど、『大丈夫やで』という気持ちを込めて描いた」 小さい頃から得意だった絵。娘への思いを胸に、無心でキャンバスに向かいました。 その絵を、知人のカフェで展示しています。
佳純ちゃんが入院する病室で、ベッドの隣でも描き続けていました。 【母・絢子さん】「何していても、夜とかも考えちゃうんですよね。その病気のことについて。なんてかわいそうなんやろうとか、このままどうなるんやろうって考えて、眠れなくなるので。絵を描いてる時は、とりあえず無心になれる。絵のおかげで、病気と向き合えたのかなって、今となったら思いますね」
そんな生活を送る中、思いついたのが、佳純ちゃんの闘病生活を絵本の物語にして残すことでした。 【絵本から引用】「ある日の夕方、お母さんはお目目の中を見て、驚きました。キラリと血走った、白いものを見つけたのです」 「髪は全部抜け落ちて、お目目には包帯を巻いています」 「網膜芽細胞腫という悪い病気がいたの。それは“がん”といって、その病気を治すために、ずっと病院にいるんだよ。お母さんは、お姉ちゃんにそう言いました」 佳純ちゃんの病気が見つかってから、何度も入退院を続けてきました。今回が最後の手術です。 母・絢子さんの足元には、たくさんの荷物がありました。 【母・絢子さん】「大体4日分くらいの着替えを入れているんですけど。あと画材ですね。絵を描くための」 お父さんとお姉ちゃんとはおよそ1カ月間、離れ離れになります。 【母・絢子さん】「絵を描こうかなと思って」 佳純ちゃんの病室で絵を描く絢子さん。夜になっても、暗い中ライトの光を頼りに、キャンバスに筆を走らせていました。
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