【甲子園熱戦レポート│9日目】スケールは髙橋宏斗クラス? 中京大中京の2年生右腕・宮内のこれからに期待<SLUGGER>
おそらく“スケール“では今大会No.1投手ではないか。 大阪桐蔭・森陽樹よりも、健大高崎・石垣元気より、中京大中京の背番号「20」の右腕が投げ込む角度のあるボールに目を奪われた。森や石垣と同じ2年生。 宮内渉悟ーー。 8回から登板して140キロ台後半と落差のあるフォークでスタンドを沸かせた。 「素材・スケール的には将来性がある選手というのがあります。甲子園入りしてからも調子良くていいボールを投げていた。神村学園さんの打線を考えると、宮内の力に期待をして登板をさせました」 愛知県大会から継投を中心に戦ってきた中京大中京の投手陣の中にあって、宮内のプライオリティはそれほど高い位置には設定されていなかった。しかし、甲子園の舞台、神村学園の強力打線にスケールのある宮内を投入したというのは至極納得のいく話だ。 「監督からは常に準備しておくように言われていたので準備はできていました。この前より今日では出番があるとは何となくありました。マウンドでは気持ちが昂りました。ゾーンにボールは行っていたと思うんですけど、高さの制球ができていなかったですね」。 宮内はそう登板を振り返っている。高校1年夏からベンチ入り。元々、制球力の高い投手ではない。その分、愛知大会では登板が少なかったのだと宮内は話している。 この日は、イニング先頭の木下夢稀の初球に145キロを投げ込むと、最速は147キロをマーク。先頭を四球で出し、犠打で二進のあと、フォークを初めて披露した。カウント1-2と追い込んでから今村拓未を空振り三振。1番の増田に対してストレートとフォークを交互に投げて追い込むと、4球目はフォークで空振り三振に斬って見せた。 身長193cmからストレートは角度があり、同じ腕の振りからのフォークは落差がある。どちらも超高校級の質のある球と言っていいだろう。これからどんなに成長していくのだろうか。 「(同じ2年生の)森や石垣は僕と同じような身長でスピードがあるので意識しますね。角度では僕の方が背が高いので負けたくない。高校の間に155キロを出せるようになりたい。(先輩の)高橋宏斗(中日)さんのように、侍ジャパンにも選ばれるような、日本を代表するような投手になりたいです」
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