プライベートクレジット、08年来の厳しい「正念場」-NYライフ
(ブルームバーグ): プライベートクレジット市場は2008年以来の厳しい「正念場」を迎えていると、ニューヨーク・ライフ・インベストメント・マネジメントのジェイ・ユーン最高投資責任者(CIO)は指摘した。インフレやリセッション(景気後退)のリスクを挙げた。
7270億ドル(約104兆円)の運用資産を持つ同社のアジア事業開発も担当するユーン氏は24日、シンガポールで開催された会議のパネルで発言した。
財政刺激策と活況を呈する市場がプレーヤーを保護してきたが、時間切れになる可能性があると同氏は警告。「よく管理されたプレーヤーと不必要なリスクを取る参加者との間に大きな格差が生じたのは、2008年が最後だった」とし、「われわれは正念場を迎えようとしている」と述べた。
「回収率は低下しており、案件を追うプレーヤーがあまりにも多く、資金も過剰だ。契約条項はどんどん緩くなっている」とユーン氏は借り手に対する制約の緩和に言及。「今後5年から10年に、過去15年が繰り返されてはならない」と続けた。
その上で、リスクは「アルマゲドン」のようなメルトダウンではないと強調しつつ、資本の流入が債務の集中を過度に招いたと論じた。
さらに、「プライベートクレジットでは分離、分散の方法に極めて注意深くなる必要がある」と指摘。2者の異なるプレーヤーに資金プールを別々に割り当てても、本当の分散にはならない可能性があると付け加えた。
原題:Private Credit Faces Worst Reckoning Since ‘08, NY Life CIO Says(抜粋)
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David Ramli