アマ3冠の吉良大弥、プロデビュー戦で1回KO勝ち 「パウンド・フォー・パウンド1位を目指している」
プロボクシングのスーパーフライ級6回戦が27日、東京・後楽園ホールで行われた。アマチュア3冠の吉良大弥(21)=志成=が、コムサン・カエウルエアン(19)=タイ=に1回1分58秒KO勝ち。プロデビュー戦を圧勝で飾った。 試合開始から多彩なパンチでコムサンを圧倒すると、連打から左ボディーフックでキャンバスに沈めた。右手でガッツポーズして喜んだ吉良は「楽しみで試合に臨んだけど、緊張もあったけど、ほっとしました。これからはこのデビュー戦を機に、一歩一歩進んでいけたらいいなと思います」と語った。 5月25日から今月16日まではWBA世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(35)=志成=らと米ネバダ州ラスベガス合宿を敢行。初の米国合宿は「環境がやっぱり日本と全然違うんで、おもしろかった。新しいことしかなかった」とすべてが新鮮で、大きな刺激を受けた。 大阪・門真市出身で、奈良・王寺工高時代にアジア・ジュニア選手権50キロ級優勝など3冠を達成。東農大1年時に井岡とスパーリングを行った際、井岡から「才能がある。チームとして一緒に闘っていけたらうれしい」とプロ転向を誘われた。東農大を2年で中退し、5月7日に後楽園ホールでB級(6回戦まで)プロテストを受けて合格した。 井岡が「世界チャンピオンになる」と太鼓判を押す逸材は「一番強い、パウンド・フォー・パウンド1位を目指している」と目標はとても大きい。井岡については「ジムの偉大な先輩なんで、そこも目指して、そこを超えないといけないと思っている」と言い切った。 「僕の引き出しでいうと、まだ1割ぐらい」とまだまだ本来の実力は見せていない。次戦は早ければ8月にも日本ボクシングコミッションの許可が下りれば8回戦を予定。〝ダイヤの原石〟はさらにキラキラと輝く。 興行はインターネットテレビのABEMAで午後5時45分から無料生配信された。吉良のアマチュア戦績は52戦46勝(16RSC)6敗。コムサンのプロ戦績は8戦5勝(3KO)3敗となった。(尾﨑陽介)